はじめの一歩

第1話

キュルキュル…キュルキュル…。



頭のゼンマイを巻いていく。


キュルキュル。




早く動き出さなくちゃ。



(解ってる)



だから、ゆっくりと脳の中を整理する。過去を振り返る。




(先生、販売員、営業、卸し業…風俗…)




過去の仕事たち。



(なんてバラバラ)


いちからモノを作りたいとか言ってなかった?


だから、広告代理店で働こうと思った。



それなのに…結局は営業に。




(卸し業を辞めたのは?)


もう一度、アパレル販売がしたかったから。



(でも百貨店、すぐに断念したじゃん)




……。




私が今まで経験してきた事は、すべて『無駄』なコトだった気がする。今までの人生自体ムダ?




私は…。



(二十代もあと残りわずか)



私は、一体何がしたいのだろう…。

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