第4話 ついていきます!

次の日、連絡で

『朝9時集合、15分前には来るな』

と言われたので8時55分頃に事務所に来た。


ガチャ

「来たか。約束通りだな」

事務所には國生こくうさんと見知らぬ金髪の男がいた。


「なんで『15分前に来るな』って書いたんですか?」

と國生さんに聞くと


「早く来られても邪魔なだけだからな。この時間に集合と言ったらその時間に来る。当然だろ?」


「まぁ、そうですね」


「それと吉崎が昨日頼んだ荷物はこの段ボールだ。封は開けてある」

と國生さんが指す机の上には段ボールが開けられていた。


私は段ボールに駆け寄り、持ってきたリュックに詰め込んでいく。


「…でだ。野仏ダンジョンに一緒に行くディグだ」


「ボル・ディグだ。宜しく」

と金髪の男性が挨拶をする。恋愛ゲームに出てくるようなイケメンだ。


「吉崎が用意し終え次第出発する」


「國生さんは武器、持たないんですか?」

見たところ武器らしきものは身につけていない。


「もう車に乗せてある。ちなみに普通の剣だ」


車?近くに昨日乗った大型車はなかったような…


とりあえず

「終わりました」

段ボールの中身を全てリュックに詰め込んだ。


「なら行こうか」


====


事務所の外に出るとあの大型車……では無く四輪駆動の車が停まっていた。


「あれですか?」


「あれだ。緊急で悪路を走る可能性もあるからな。オフロード車だ。もちろん4人乗りで運転手はアリエテだから安心しろ」

と國生さんは言い、助手席に乗りこむ。ディグさんが後部座席に乗りこもうとしているので私はその後に続いて乗りこんだ。


「では出発いたします」

と車が走り出すと同時に


「今日の作戦をダンジョンに着く間の時間を使って伝える」


====


野仏ダンジョン


山の中にあるが、ダンジョンに向けた道は整備されており、ダンジョンに入る人に向けた装備屋や飲食店などが立ち並んでいる。


「早速行くか…何かあるか?」

と車を降りた國生さんが聞いてくる。


「何もないですよ」


「じゃあ行くか」


ダンジョンの受付に行くと


「はい。國生様の資格を確認しました。三名で行く予定ですか?」

と受付のお姉さんが聞く。


「そうだ。一応今日中に帰ってくる予定だ」


「分かりました。シートは…こちらですね」

とお姉さんは國生さんが資格と一緒に出していた書類を確認する。


「…確認いたしました。気をつけて行ってらっしゃいませ」


そうしてダンジョン内に入った。

真っ先に目に入ったのは


「すごっ」


巨大な穴。エレベーターが取り付けられる程広い穴で、底が見えない程暗かった。


「吉崎。これ付けろ」

と國生さんに言われるがまま、渡されたマイク付きヘッドフォンを着けた。


「イージス。20層から43層まで案内してくれ」

と國生さんが言うと


『わかった。エレベーターで降りてから案内する』

とヘッドフォンからイージスさんの声が聞こえてきた。


====


そうしてエレベーターで20層まで降りると


『まずそのまま直進、3つ目の角を右…』

とイージスさんが指示を出し、その通りに自分達は動いていく。


…もちろん

ギャ!ギャッ!ギャァ!

魔物も出てくる。


「ゴブリンとオークか」

ザシュ!

だが國生さんは狩り慣れているのか剣で切りつけ、瞬く間にオークを倒した。その間にディグさんは格闘技で周りのゴブリンを倒していた。


「…支援魔法は必要ですか?」

と聞いて見るが…


「このぐらいの階層ならいらんな」

と返答が来た。


『そこの階段を下に、その後に右の壁に行って…』

行って?


。それが近道』

掘って?


「ディグ。任せた」


「出番か」

とディグさんは言い、いつの間にか持っていたドリルで地面を凄まじい速度で掘り出した。


ガガガガガガガガガ!


「まさかですけど…ディグさんはこのために連れてきたんですか?」

と思った事をそのまま大きな声で、いつもより声を張り上げて聞いてみる。


「そうだが、いざという時に一時的な安全な場所を作り出すことも出来るから便利だ」

と大きな声で國生さんは答えた。


====


そうしてイージスさんの指示に従い、魔物は國生さんが倒し、ディグさんが地面や壁を掘りながら進み、43層まで辿りついた。ちなみに私はまだ何もやっていない。

そして…


「ここか…普通こんなところのトラップなんか踏むか?」

テレポートトラップがある通路の行き止まりに辿りついた。


「魔物に追い詰められたんじゃないですか?」


「それがあったか…まぁ、行くぞ」

と國生さんが手を私に向けて出してくる。


「え?」


「『え?』って、じゃなきゃ一緒にトラップに引っかかれないだろう?ほら、ディグも」

と國生さんが言うと國生さんの片方の手をディグさんが掴んだので、私ももう片方の手を掴むと




急に地面を踏みしめる感覚が無くなった。




不思議に思ったので下を見ると、暗かった。


私達三人は長い縦穴の中にテレポートさせられたのだ。

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