第39話

いつの間にか、あたしは当たり前の様にモモと呼ばれ、『私』の中にモモとしての人格がしっかり存在していた。


男達を、精神的にも肉体的にも満足させる術を、あたしは身につけてしまっていたのだ…。




その頃知り合ったのが、『ケン』という男だ。

客ではない。ファッション関係の仕事をしていた。


私もその頃にはアパレルの会社に就職していたんだ。


ケンは、将来自分の店を持ちたいという夢を持っていた。


金を貰い男と寝るのが当たり前になっていたあたしにとって、商売以外で男と寝るのは久しぶりだった。



こいつはビンボーで金がない。

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