第42話 相乗効果によってどれほどの距離と時間を稼ぐのか
黄色いS660《エスロク》のテストドライブをしていたのは街の発明家である初老のオレンジのツナギの男であるが、以前に同様のエンジンのハイパワー化を兼ねてECUにある特殊な細工をした富隧仕様の白いCR-Zを高速道路で追い越しできたことは偶然だった。
ハイパワー化されたS660《エスロク》にそのまま追従でき、緩い登坂路で差を詰めてテール・ツー・ノーズの僅差にまで追いすがってきた白いCR-Zが、自らハイパワー化した富隧仕様であることも確信した街の発明家は、偶然にも2台同時のテストドライブとなったことで口が緩むどころか、込み上げてきた笑いが高笑いになっていた。
このまま2台が連なって相乗効果によるタイムスリップがどれほどの距離と時間を稼ぐのか、街の発明家には楽しみで仕方なかった。
しかし、見た目では分からない誤算が生じていた。
黄色いS660《エスロク》が時間と空間を飛び越えて現実空間、つまり高速道路上に戻った地点は、長いトンネルを抜けた市街地インターチェンジを飛び越えて、一つ先のインターチェンジ、距離にして16キロほど先を走っていた。
その状況は追従していた白い富隧仕様のCR-Zも同じだろうと思ってたが、バックミラーでその存在は確認できなかった。
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