第3話スマホの向こう側の君

 気づいたら21時

 そろそろ返信しようかな!

 ーー  sizuku1005 ーーーーーーーーーー                         

 <水泳部やってるよ!

 <荒井あらいくんは生徒会の佐藤さとうちゃんと同じ中学校だよね?

 19:54

         水泳部なんだ!部活と生徒会両立できてるのすごくない??>

             そうそう!もえも生徒会だから知ってるのか笑>

                 21:15

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 あ~まだ緊張する~なんか変な返信になってないか不安だ。

 とりあえず今日は風呂に入って寝よっかな。

 5月20日6:30

 朝目が覚めてスマホを見ると通知に[sizuku1005]の文字があった。

 あ、返信来てる!朝は早く送るのはどうなんだろう?

 でも我慢できないし返信しちゃおう!

 ーー  sizuku1005 ーーーーーーーーーー                         

         水泳部なんだ!部活と生徒会両立できてるのすごくない??>

             そうそう!もえも生徒会だから知ってるのか笑>

                  21:15

 <そんなことないよ~

 <やっぱり!佐藤さとうちゃんに前聞いたことあったから知ってた笑

 たしか貝津中学校だっけ?

 23:22

               今日

     そそ!地味に広い学校だった笑鳴海なるみさんはどこ中なの?>

                  6:40

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 返信完了!鳴海なるみさんから質問来てるし嬉しいいい

 返信した後朝ごはんを食べつつ準備をして学校へ向かった。


 学校は大体一番乗りで教室いるんだけど毎回鳴海なるみさんは3,4番目くらいにはくる。人はあんまいないから

(話しかけたりしてみたい)

 そんなことは思うけど中々勇気はでないしなんか不安なんだよね。

 朝から鳴海なるみさんの事チラチラ見ちゃうしばれたらキモがられるよな~

 でも目が離せない。

 8:25ぐらいには人がどんどんはいってきて教室もにぎやかになる。

 いつも通り光の席にいって話す

 しかも最近はいつもの六人組みたいなのができてさらに楽しくなってきた。

彼方かなた~なんか昨日の部活帰りに聞いたんだけど今日は席替えするらしいぞ」

「マジ?!席替えとかアッツ!いつやるんだろうな」

「多分数学の時間のはじめか帰りのホームルームじゃねえかな」

「数学か~じゃあ5時間目かよ」

「せやな みんなで近くの席になったら激アツ」

   「キーーンコーーンカンコーーン」

 ホームルームに時間だ

「とりま席替え楽しみだな、席戻りまーす!笑」


 ホームルームの最後

「今日は数学の時間の最後に時間があれば席替えするから~」

 そう言って終わった。

(あ~鳴海なるみさんと隣にならないかな~)

 そう思いながら今日は数学の授業まで過ごしてきた。

 何回も休み時間に鳴海なるみさんの事目で追っちゃうし後ろ振り返るふりしながら見たりいろんな方法で見ちゃった。

 真面目にかわいいな.....



「席替えするからくじひいてー」

 今回の席替えの方法は前にあるタブレットでくじをひいて、黒板に数字が割り振られた席が書いてあるからそこに名前書くって感じ。

 鳴海なるみさんのほうがひくのが早くて29番だった。

 隣に行くには35番じゃないとだめだ。

 まだ35番は取られてないからいける!

(35番35番35番)

 願いながら俺の番が来た。

「ポチッ」

「19番!!」

 でっかく画面に表示された。

 後ろの席だけど全然鳴海なるみさんに近くない。

 ほかの男子が隣になるのがすっごい嫌だ。

 次いつ席替えするかわかんないけど次こそは隣取る。

 5時間目の数学も6時間目の化学も終わって帰りのホームルームも何事もなく終わった。

(今日は部活もないしさっさと帰って家で寝よ)

 あくびしながらあずまのいる2年F組に行く。

あずまかえろーぜー」

「おっけーちょっと待ってな」

「はよして~」

 あずまと一緒に自転車に乗りながらいつもと同じ場所でゲームをしながら話す。

「きょう席替えしたんだけどさー

 鳴海なるみさんの隣の席になれなくてなえた」

「おつ~~~笑」

「慰めろ笑

 ちゃんと祈りながらくじひいたのに」

「ま、どんまい笑次があるさ笑」

「なんか心がこもってないわ~笑」

荒井あらいは結局どこの席になったん?」

「窓側の後ろから二番目」

「はー?めちゃいい席やん」・・・・・・・・

 他愛もない話をしているともう18:30だ。

あずま気づいたらもうこんな時間や」

「もう帰るか」

  「「じゃあなーーー」」

 俺たちはそのまま別れた。

 家に帰ってもまだ鳴海なるみさんの返信は来ていない。

 毎日鳴海なるみさんとは話せるチャンスはあるはずなのに勇気が出ない。

 DMでは話せるのに現実では話せない

 そんな矛盾を抱えながらスマホの中の君に今日も話しかける。








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