第18話 《side現実》「ブルイロの攻略、どこまで進んでる?」
あえて数えるような事はしていないが、相当な時間を離れて過ごしたという事だけは、感覚的にわかっている。
「どこで何してるのかな」
ゲームのプレイ中にも、時折思い出す。
授業中も、友達と遊んでいる時も。
もう
心配する気持ちが消えてなくなることはない。
とはいえ、できることもほとんど無いのでこうやって日常を送る他無いのだが。
ゲームをする気分ではなくなってしまったので、アプリを落とす。
気分転換にメッセージアプリを開くと、ネットを通じて知り合ったゲーム友達からメッセージが来ていた。
――――――
石像:ルミドリちゃん、ブルイロの攻略、どこまで進んでる?
――――――
ルミドリとは瑠深のハンドルネームである。
石像は友人の名前だ。
本名は知らない。
――――――
ルミドリ:1-10で詰んでる
石像:
ルミドリ:マジか……全然育ててない……育成素材全然足りん
石像:序盤の資源不足辛いよな。私のサポート変えとくから好きに使っていいよ
――――――
石像は、普段であれば瑠深がキャリーしている相手だ。
しかし今回は瑠深の方が遅く始めた事もあっていつものお返しとばかりに情報をくれる。
――――――
ルミドリ:ありがとう! とりあえず頑張ってみるね
石像:ファイト! ちなみにこの後1-16でも地獄を見るよ
ルミドリ:つら。しんど!
石像:一章終わるまではとりあえず配布キャラの育成頑張れ。
ルミドリ:ひょぇ、ガンバリマス
――――――
推しの育成に時間を注ぎ込んだ結果途中のマップで詰むというあるあるが、ブルイロでも起こるらしい。
育てるべきキャラが早めに分かって良かった。
――――――
石像:早く一章クリアしてくれ〜めちゃくちゃ語りたいんだよ
ルミドリ:わがった……がんばる
――――――
友人に感謝しつつ、ブルイロの周回を始めた瑠深。
――それから三日後の事だった。
石像が行方不明になったと、石像の家族から連絡が来たのは。
――――――――――
SNSを中心に、都市伝説が広まっている。
『彼女の家に行ったら部屋が水浸しになってて、その後行方不明に――』
『最近連絡の取れなくなった生徒の家に行ったら家中水浸しで、誰も居なくて――』
『クラスメイトが行方不明なんだけど、居なくなった日に部屋水浸しになってたって――』
連続水浸し行方不明事件。
被害者の特徴も、住む場所もバラバラ。
共通点は全て、ただの水ではなく
そして、SNS上ではもう一つの共通点が囁かれていた。
『被害者の中にソシャゲの配信者が2人居てさ、どっちもブルー・ブルー×イロウシェンの配信した後に消えてるんだよね』
『最近ブルイロにハマったって友達が行方不明になった』
――
―――あとがき――――――――――
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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