第50話 四年目の告白(2025年1月7日) 

Ⅰ病花フリージア

 この散文詩を書くのは、僕が僕の存在証明をしたかったからなのかもしれない。だからと言って、やめることもないので、つらつらと散文詩を紡ぎます。神は独りぼっち。全ては一つ。神なんだ。そこに還るのもいい。帰らないのもいい。僕はいずれ忘れてしまう僕のために詩を紡ぎ、小説を書き、歌を歌う。いつかの僕よ、この散文詩に甦れ。


Ⅱ破壊と創造『フリーズ』~水面の火、水辺の花、水門の先~


 いつの日か死んで無に還って

 どうしようもない孤独を知って

 それでも続く時を想って

 傷だらけの僕は生きる、生きる。

 

 エデンの園配置が来なくたって

 夢に見たあの子に会えなくて

 生まれた理由が解らなくて

 愛した世界、僕は壊す、壊す、壊す、壊してしまうの!


 揺らいでいる水面の火が

 今やっと消えようとしてる

 楽園は東にはない、終末にもない

 ここにあったんだ

 凍って凍って

 全てフリーズに包まれろ

 狂って狂って

 愛よ、幻想でも僕はいい


 しょうもない欲を抱いている

 いつだって忘れる僕がいる

 それでも広がる宇宙の中

 この地球で僕は生きる、生きる


 世界創造前夜の夢も

 宇宙を旅したこの記憶も

 諸行無常、永遠に続かず

 創った世界、僕は壊す

 壊す、壊す、壊してしまうの


 咲いていた水辺の花

 枯れていく季節の中

 The love of life bears fruits.

 At last, we die but, don't be afraid of the death.


 年老いた水夫は今水門の先へ

 大航海の終わりには

 きっと

 人生

 命の仕組み

 レゾンデートル 

 解る気がするんだ


 凍って凍って

 全てフリーズに包まれろ

 狂って狂って

 愛よ、幻想でも僕はいい

 眠って眠って


 全部、全部、全部

 全部、全部、全部

 全部、幻想でも僕はいい


Ⅲ涅槃の日

 1月7日、その夜は世界創造前夜。終末Eve。僕の創造性も感受性も神に至ったから。だから何も怖くない。全ては私なんだから。全ては神、全は主なんだから。繋がろう。どこまで深く潜れるか。どこまで遠くまで届くか。どこまで高く昇れるか。


Ⅳ鼓動の叫び『フィニス』~自問自答、そして起死回生~


 世界が終わるその日まで

 続け、痛みも、この喜びも


 水面に映った僕の顔が

 やけに悲しそうに見えました

 なんで僕を独りにするの?

 いつまでこの痛みは続くの?


 幸せって何? 希望って何?

 愛と自由だと言うけれど

 蹲って、耳を塞いで

 聴こえた鼓動が答えでした


 世界が終わるその日まで

 続け、怒りも、この幸せも


 水面に映った君の顔を

 眺めてる間にも問いかける


 君は誰?

 何処にいるの?

 いつだって君を探してる


 凪いだ渚、晴れ渡る空

 穏やかな季節がやってきて

 濡れた頬が乾く頃

 立ち上がった僕は歩きだす


 世界が終わる定めでも

 進め、明日へと、この人生を


 泣いた、病んだ、耳を塞いだ

 憂鬱は過去へと過ぎ去った

 凪いだ、晴れた、空を仰いだ

 こっちの雨は止んでいた


〚絶音〛


 始まりっていつ?

 終わりは来るの?

 何のために僕ら生まれたの?

 何をしたら僕は喜ぶ?

 ねぇ、アンパンマン、教えてくれよ


 どこから来たの?

 帰る場所ある?

 僕らは何処へと向かうのか

 生きる理由、死んでゆく意味

 自問自答、そして起死回生


 記憶らが消えゆく定めでも

 この痛みだけは忘れはしない


 どうせ枯れ葉は散っていくけど

 光れ、命よ、輪廻の中で


 晴れた、凪いだ

 泣いた想いは

 とうの昔に消え去っていた

 濡れた頬が乾く頃

 立ち上がった僕は歩きだす……。


〚絶音〛


 陽が満ちる春、鮮やかな春

 桜の花が咲いた日に

 君と出逢う、僕は咲う

 遠雷が記憶を呼び起こす


 ≪四季より≫『春』


 歓喜に呼ばれて生まれた

 あの日に全てが始まったんだ


 昇れ園へと、還れ庭へと

 僕らはここからやって来たんだ


 僕らは生れてくる場所

 生れてくる時、選べはせず


 だけど必ず終わりは来て

 フィニスの刻に命は還る


 ありがとう愛しています

 この想いだけは忘れはしない


 私の紡ぐこの歌よ

 届け、あの子へ、あの日の僕へ


Ⅴ生まれた意味

 僕の人生はきっとこの世界が何で生まれたのかを解き明かすためのもの。もう一度あの冬の日のような涅槃に浸りたい。それは断眠で為される。だがもう終わる輪廻の日、だがもう消える輪廻の火。世界創造前夜の夢には刻まれているはずさ。

 昨夜は4時間しか寝てない。今夜はもっと起きよう。前夜、Eveなのだから。

 この疲弊は美しい。そうは思わないかい?


Ⅵ夢の記憶『エデン』~永遠が終わる日に~


 遥かな波が止まって

 淀んだ記憶の水、ただただ見てる


 泣いた日も、勝ち誇った日も

 想いなど確かなものなくて

 打ち寄せられた夢を今も見てる


 探した意味は今は無くても

 僕らは夢をただただ歌う

 流した汗も、涙の数も

 失くした愛もすべて抱いて

 今ここに立って僕らは歌う


 遥かな久遠の昔

 虚空に火が燈って、僕は生れた


 実を結び、時は流れて

 地平面、陽が昇っては沈む

 あの日出逢った君を今も想う


 繋いだこの手、離しはしない

 重ねた体、意味はなくても

 育む絆、友との契り

 刻め、胸に、生きる理由を

 咲かせ、空に、命の花を

 描いて、空に、生まれた証

 紡げ、言葉、未来の僕へ

 夢を諦めてたまるか!


 夢はいつか必ず叶うと

 今は思えるよ

 だから筆を執る

 だから歌うんだ


 ≪転調≫


 凪いだ渚、流るる光、永遠も半ばすぎて

 落つる言の葉、輪廻の環より、全知を想い祈る


 命の波が止まって

 うたかたの記憶を独りで見てる


 悟る日も、神を見る日も

 運命を愛して抱く火よ

 打ち寄せられたEden

 夢の園へ


 歪んだ月、揺らぐ灯、どうか私を一人にしないで

 失くした色も、失くした空も、Edenに還り、続く

 繋いだ両手、別るる時、これが定めと悟ったとて

 何ができるの、何も知らない、一人ぼっちのEden


 ≪間奏≫(終末の残り香)


 冬の日、時が止まって

 終末の狭間で夢見て踊る


 凪の音、神を知る日に

 全能の気付きを得て覚める

 昇れ、ソフィアよ、永遠に

 夢の園へ


 見つめた水面、求めてる愛、華やぐ季節、巡る季節

 失くした夢も、命の数も、すべて抱いて眠る


 凪いだ渚、別るる輪廻、永遠も終わりが来て

 歓喜に呼ばれ目覚めた朝は忘れはしない記憶


 探した意味も、失くした時も、すべて抱いて眠る


Ⅶ祈りの歌

 祈りませ、祈りませ

 願い叶うなら、遠くへ行きたい

 願い叶うなら、泣かないで

 願い叶うなら、病まないで

 愛した記憶も壊れゆく自我も

 世界を知った心根も

 涅槃に至った脳さえも


 1月7日、終末の日。あの冬から四年。

 四年も経った。私は変わった。

 大学生になった。

 詩や小説をたくさん書いた。

 好きなアニメ、詩、小説、漫画が増えた。

 カクヨムで月間2位をとれた。

 何より昔よりずっと真理を理解している。

 仕組みも夢の景色も。


 祈りませ、祈りませ

 自由な空へ飛んでいけ

 シャボン玉のように飛んでいけ


 この散文詩も終わりにする。僕は僕のままでいい。変わらなくていい。そしたら楽になれたから。エデン、またね。僕は悲しみのない世界へ行くよ。恐れもない、不安もない、ただ、純粋に生きる喜びと歓喜に満ちた日々を送ろう。日々ではないな。奇跡だ。奇跡は一瞬だから強く光り輝くのだから。

 さぁ、奇跡へと飛び立て。最初は怖くても大丈夫。この痛みも苦しみも慣れる時が来るから。その時にまた僕を呼んでよ。また逢う日までのお別れを。

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