第12話 ザック似のアオとアリア

ザック似の高2のアオが視線の先にいた。

チャイムが鳴った。私は席を立ち入口にいる、アオの横を視線の感じながら、黙って通った。瞬間「アリア。」声がした。

気づかないふりをして他の生徒達と学食を出た。

『何?今のは』今朝、会ったばかりなのに、

胸がざわつく。

ザックに似ているから?

違う。よくわからない。でも・・・

教室に戻った私は、ざわつく心を静めることで頭が精一杯だった。

ミクが「アリア、大丈夫?顔色が悪いわよ。

保健室、行く?」

レオが振り返り。「アリア、無理しない方がいいさ。俺様が一緒に行ってやる。」

私は「2人ともありがとう。1人で大丈夫よ。先生、気分が悪いんで保健室行きます。」

「付き添いはいりますか?」

「先生、一人で大丈夫です。」私は教室を出た。

気分が悪い原因はわかっていた。アオだ。

彼の存在が私の脳内とカラダを駆け回っている。『何、これ?』

私は保健室に着いた。

先生は優しく「1年生ね。入学式で疲れたかな?ベット横になって少し休みなさい。」

そう言ってエアタンを出して私の症状を入力した。

「アリア。1年生だから、まだあなたのフォームが接続できないわ。職員室に行ってきます。

何かあったらそのボタンを押して。」

「はい。先生。」そのまま先生は、でていった。

めまぐるしい状況変化で脳内がついて行かない。「はあー。」私は大きなため息をした。

「ニャーオ。アリア。情けないな。

その疲れ具合は。

それでも悪魔ガーゴイルの姫?なのか?」

「ベル。ベル!」私は黒猫に変身している妖精ベルをベットの上で抱きしめた。

「ベル。助けて。何が何だかわからないの。

脳内の整理がつかない。

私は私に魔法のぶどうを食べさせた黒マントの男を追いかけてこの世界に来たのに。

関わる人間が多くて頭の中とカラダがパンクしそうよ。」

私はアリュースがこの世界に私が20年前に存在していたこと。ゲン先生が結婚相手だったこと。それにレオのお母さんが私に似ていること。そしてアオ。「アオが。」

今度は妖精ベルが大きくため息「はあー。」

そしてベルは「仕方ないな。一気に時の住人の情報が流れて来たんだな。少し整理すると。

まず、アリア。お前の座標は200前のアルタ王国の女王だ。分かるか。」

「分かるは。そこが今の私の元座標。はじまり。」

「そうだ。そこから200年前に飛んだ。今のエドからすると400年前の座標だ。

そこでもう一人のアリアに出会う。そのアリアを黒マントの男が魔法のぶどうで眠らせた。」

「そう。そこまでは分かるは。」

「実際はそこで20年間、アリアは眠り続ける。空白の20年のはじまりだ。」

「そうアリュースに聞いたわ。」

「そうだ。アリュースとザックはアリアの本来の正体は悪魔ガーゴイルの姫だと知っている。

それにアリアは人間界の200年前のアルタ王国に約束、契約で仮の姿で生きていることになっている。」

「契約?」

「私の友人悪魔ガーゴイルの姫の父は、バンパイヤの王と契約を結んだ。

アリアの母を2人は愛した。

アリアの母とレオの母は同じ人間だ。

そのアリアの母は人間界のアルタ王国の貴族の姫だった。彼女は人間にして時の住人だった。

命は人間と同じように尽きるが彼女は、すぐに生まれ変わる。

彼女はレオの父。バンパイヤと結婚。レオを生み。亡くなった。

その後すぐに転生、悪魔ガーゴイルの王様と結婚。アリアが生まれる。

そしてまたすぐになくなった。

「じゃあ、レオと私は兄弟ってこと。」

「そうだ。アリアにはバンパイヤの血が流れている。ハーフバンパイヤだ。

そして、時本ゲン、シュンもアリアの兄弟だ。

さっきゲンがアリアの結婚相手で恋人だと言っていたのはその事実を知らずに

20年前のエドでアリアと出会って一目ぼれしたからだ。

それはそうだ。アリアはハーフバンパイヤだ。ゲンが惹かれるのは無理もない。

しかし、そうなる前にアリュースとザックが現れて、現在進行形の悪魔ガーゴイルの姫としてアリアを連れ帰った。」

「なんか、複雑すぎて、混乱するけど。

要するにゲンは母違いの兄弟って認識したってことで身を引いたのね。」

「その通りだが身を引いたというよりアリュースとザックが戦ったってことだ。だからバンパイヤの時本兄弟はアリアの味方だ。レオには実の兄弟だとゲンかシュンがそのうち言うだろう。」

「なんとなくわかってきたわ。

それで最後に人間のアルタ王国の王様と母は結婚。そして人間の今のアリア、私が生まれて存在している感じ?」

「そうだな。しかし、今はアルタ王国の女王兼悪魔ガーゴイルの姫での存在に絞られている。そのため護衛にアリュースとザックがついているのさ。」

「じゃあ、人間のアルタ王国のアリアは消えるの?」

「消えないさ。表はアルタ王国。

裏は悪魔ガーゴイル王国の姫さ。」

「なんか都合がよくて、忙しそうな存在ね。」

「そうさ。時の住人たちはいつも都合がいいのさ。しかしそれには、あの黒い教会の完成が必要さ。あの完成をもって表と裏の王国が一つにある。そう契約されている。その契約は本当の存在消滅を持ってアリアの母が魔法をかけた。」

「母はもう2度と転生できないの?」

「そうだ。契約とはそういうものだ。」

「ねえ、妖精ベル、あなたは母に会ったことがあるのよね。」

「そうよ。彼女は私のライバルで恋敵だった。悪魔ガーゴイル王国の王様は、

あなたの母にとられたもの。」

「えっ?ないか悪いこと聞いたみたい。

ごめん。」

「気にしないで。だから初めから、アリアの父は私の友人っていってるじゃない。」

「そうね。そうだった。ベル大好きよ。」

黒猫のベルをギューッと抱きしめた。

「はなして、アリア。息ができない。」

「ごめん。ベル。」

「これで頭の中の整理はついた?」

「まあ、なんとなく。私は、人間でバンパイヤで、悪魔ガーゴイルで、時の住人。私、最強かも。」

「そう。最強の力は幸せも不幸もその手で作り出すことができる。

その意味をよく考えるんだアリア。でもその前に黒マントの男を捕まえなくてはいけない。

約束の教会。黒い教会を完成させなければいけない。」

「ズキン。」頭に声が「もうすぐだ。もうすぐ君は僕にたどり着く。さあ、見つけてごらん。

人間とバンパイヤ、悪魔の契約。

その幸せの約束。僕が壊してあげよう。」

「ベル。聞こえた?」

「あー、聞こえたさ。黒マントの男は近くにいる。」



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