バーニャフレッダ。〜何かにつけて可愛い悪魔〜
猫野 尻尾
第1話:押入れの壁に描かれた魔法陣。
異世界からやって来た女の子シリーズ、もう数える気にもなりません。
悪魔って何人出てきたんだろう・・・今回もご多分に漏れず、その
今、俺の部屋に悪魔の女の子が一緒に住んでいる。
なんで?・・・それはね、こう言うことだったんだ・・・そもそも悪魔なんて
いるの?って話だけどね。
俺の名前は「
現在独身・・・安マンションで一人暮らし。
仕事はひとり細々と自営業・・一応、アパレル関係の末端。
郊外に小さな工房を構えてTシャツにイラストや文字をプリントしてネット
販売してる。
現在付き合ってる彼女がいないから休日は案外ヒマ・・・だからバイクで
ツーリングに出かけたり、時々軽のキャンピングカーをレンタルして車中泊の
旅に出たりする。
だから自炊も運転も苦にはならない。
車中泊に行かない休日のこと、俺は久しぶりに街に買い物に出かけた。
で、行きつけの店で何着か服を買って昼は◯◯製麺で釜揚げうどんを食って、
商店街をプラプラ歩いてから古本屋になんか寄ってから帰ろうとしていた。
そしたら路地の隙間にいた占い師のばあさんに呼び止められた。
「ちょっと・・・そこのおニイさん、あんた・・・あんただよ」
「え?俺?」
「あんた、もう二年あまり彼女いないだろ?」
「え?・・・・」
(なんだよ・・・当たってるし・・・)
「あんた・・・近日中に彼女ができるよ・・・相手はとっても変わった女性だね」
「とっても変わったね・・・大事にするといいことあるかもよ」
って言われた。
でも俺は信じなかった。
今んところ女性と出会う兆しもない、ナンパする予定もない・・・その兆候すら
ないのに、いきなり彼女なんかできるわけないじゃん。
「はいはい・・・そっちから呼び止めたんだから料金は払わないよ」
そう言って俺は、ばあさんの前をそのまま通り過ぎた。
で、それから一週間してのことだった。
その日は低気圧が張り出してきていて朝から不気味なくらい空が淀んでいて
とても寒い日だった。
窓越しに外を見たら、なにか不気味なことが起きそうなワクワクする雰囲気の
空模様。
で、寒いので押し入れから毛布を一枚取り出そうとして下に重ねてた他の
布団まで床にバサバサ落としてしまった。
で、しかたなく全部元に戻そうと思って布団を抱えて何気なく押し入れの中を見た。
そしたら左側の白い壁に赤い色でなにか模様らしきものが半分ほど描かれてるのを
発見した。
「なんだこれ?」
なんとなく見たことある模様・・・。
それはファンタジーやオカルト雑誌なんかでよく見る魔法陣に似ていた。
そんなもの、いつ誰が描いたんだ・・・引っ越して来たときはたしかになかった
はずなんだけど・・・。
俺以外にこの部屋に人はいないんだから、わざわざ誰かが俺の部屋に入ってきて
押し入れの壁にそんなもの描くやつなんていないし・・・。
俺は不思議に思ったけど寒かったこともあって、とりあえずその時はその模様を
スルーした。
でもって次の日少し暖かくなったので毛布をしまおうと押し入れを開けたんだ。
そしたら、今度は魔法陣が完全に描き上がっていた。
寝ぼけてた訳でもなく夢を見てたわけでもない、それは悪魔を呼び出す魔法陣だ。
なんて文字が書かれてるのか興味をそそられた俺は顔を近づけた。
そしたら・・・そしたらなんとその左の壁の魔法陣から、にゅ〜っと一本の腕が
出てきたんだ。
「わっ・・・な、なに?」
俺はびっくりして思わず押し入れの戸をビシャって思い切り閉めた。
(今の絶対、心霊現象だよな・・・ホラーだろ・・・)
よく壁から手がいっぱい出てくるホラー映画とかあるだろ?あれだよ、あれ。
でも、俺って霊感ゼロだし・・・もしかして幻覚を見たのかもしれないと思って
恐る恐る、押し入れを開けてみた。
そしたら、なんか赤い魔法陣からピンク?の髪の毛?頭らしきモノがちょうど
出て来ようとしていた。
「わ、わ、わ・・・何が出てきてんだ? やっぱホラーだ・・・」
「って言うか、人間の腕と頭?・・・こわ〜」
ホラー映画とかが、すこぶる苦手な俺はこの状況にめちゃパニクった。
つづく。
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