反復練習と実戦訓練
シーナ、ジョーン、それぞれの得意武器の練習も稽古のメニューに組む事になり、まずは道場内でも練習ができるようにそれぞれに木を使用しての安全な武器を作った。
シーナの場合は弓は自分のを使う為、矢を殺傷しないやつにしたいという要望があり、早速できた武器での練習を開始した。
「シーナ、とりあえず的も作ってみたし、試し撃ちをしてみたらどうだ?」
「はい、やってみます」
シーナは俺の呼びかけに応じ、的に対して矢を放つと上手く命中させて喜んでいた。
「やった、やりました!あ……、ま、まあ私本来の腕ならこれくらい当然です」
「いや、別にそこはとりつくわなくてもいいだろう、嬉しい時は素直に喜べよ」
「私はエルフですし、弓には自信があったんですけど、こういう形での練習は初めてだったんで上手くいってつい喜んでしまいました」
「ん?じゃあ、シーナは森ではどういう練習をしていたんだ?」
シーナはどうもこの形での練習は初めてだったようだし、俺はシーナがどういう形で練習していたかを聞いてみた。
「基本的には外での練習でしたね、練習用の的はありましたが、それにも刺さる矢で練習してました」
「なるほどな、やっぱり刃のない矢は感覚として違うのか?」
「はい、ジョーンさんは尖った部分も再現してくれましたが、やっぱり空気の抵抗の受けやすさは違うと思います」
「まあ、ここでは基本練習を主にして、実戦訓練は狩りでできるからなシーナの場合は」
なにをやるにも反復練習というのは必要だと思っているし、それにより動きを馴染ませて実戦でその動きを確かめる。まあこの2人は剣の素振りにも文句は言わないし、その辺りは理解しながらやっていると思うけどな。
「ジョーン、ジョーンもその槍を一度振ってみたらどうだ?」
「おう、しかしこれ結構軽いな、飛ばしすぎねえように慎重にっと」
そう言いながらもジョーンは槍をしっかりと振るっている。自分が普段使っている槍よりは軽い為、力を上手く抜きながら慎重に振っているとの事だが、結構しっかりと振り回しているな。
「どうだよ、師匠?」
「うん、いいんじゃないか」
「ただ、俺も実戦訓練の場が欲しいな、シーナ、俺もシーナの狩りに付き合っていいか?」
「ダメです!」
「何でだよ⁉」
「ジョーンさん、魔物と違って森の動物はすぐ逃げるんですよ、ジョーンさんがそんな物騒な槍を持って行ったら獲物が逃げて、狩りが成立しませんよ」
「じゃ、じゃあ俺はどうすればいいんだよ!」
「……魔物狩りの依頼か、時々俺が模擬戦の相手をやるよ」
「……まあ、仕方ねえか」
とりあえず2人共得意武器の練習もできて嬉しそうだな。
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