剣しか取り柄がないという事で追放された元冒険者、辺境の村で魔物を討伐すると弟子志願者が続々訪れ剣技道場を開く
burazu
追放されてからの生活
追放されました
「リッキー、今日限りでお前にはこのパーティーを辞めてもらう」
いきなり呼び出されたかと思えばパーティーを辞めろだと?何を考えてるんだこの野郎は。
あ、俺はリッキーといって、剣の得意冒険者だ、そんでもって今俺が話しているのはマルスという名前で俺の幼馴染で俺が所属しているパーティーのリーダーであり勇者スキルを所持している。
どういうわけか、マルスは俺にパーティーを辞めろと言っているが、いきなり辞めろと言われても納得できない俺はとりあえずマルスに尋ねる。
「マルス、勇者スキルを所持するお前やマジシャンのメイ、ヒーラーのユリを守る為に俺はこの剣で前衛であらゆる敵を倒してきたんだ、まあさすがに物理攻撃が通じない魔物にはお前の勇者スキルによる技やメイの魔法が頼りだったけど」
「そうだ、まさに物理攻撃しかできないお前はこの先俺達の足手まといになると判断したわけだ」
「マルスの言う通りだと思う、リッキーは身体を張って私達を守ってくれたけど、さすがにもう独力で倒せる奴は少ないんじゃないかな」
「はい、リッキー様、マルス様はリッキー様を思って、このような提案をなさっているのです」
メイ、ユリ、こいつらもあらかじめマルスに吹き込まれていたな、まあ当然かメイはマルスの恋人だし、ユリにしてもマルスの奴がメイの目を盗んで密かに割り切った関係を結んでいたんだ、ユリも聖女ぶっているがとんだ悪女だし、マルスもとんだゲス勇者だな。
何度か暴露してやろうかと思ったがパーティーの関係を壊したくないから黙っていたんだ。本当は今すぐ暴露したいくらいだが、それでも幼馴染のよしみだ、そこに訴えるしかない。
「マルス、俺とお前は小さい頃からともに冒険者を目指して切磋琢磨してきただろう、お前が勇者スキルを覚醒させた時からお前を守る為にひたすら剣の腕を磨いてきたんだ、俺以上にお前の剣の役割を担える者はいないと自負している」
「ふふふふ、ハハハハハ!おいおい、冗談はよしてくれよ!」
「な、何だと……」
「俺の剣を自称するなら物理攻撃以外も使いこなしてみろよ、それになお前が言う俺の新しい剣を担ってくれる奴はもう見つけているんだ、入れ!」
「こいつが……」
「紹介するぜ今日から俺達のパーティーの前衛を担ってくれるサラだ」
「初めましてみなさん、今日からみんなの事は私が守るよ」
「待て!マルス、何故彼女なんだ?彼女と俺の差は一体何だというのだ!」
「彼女は剣技に加え、魔法も得意からだ、物理攻撃しかできないお前よりは余程役に立つ」
「……納得できない、せめて彼女との剣での果し合いを提案……」
果し合いを提案しようとした俺にマルスは残酷な言葉を投げかける。
「黙れ!往生際が悪いぞ、既にお前のパーティーからの登録は外しているんだ!」
「……そうか、もう最初から……」
こいつの二股を暴露したいくらいだが、曲がりなりにも勇者スキルを所持しておりギルドのみならず国からも支援を受けている。こいつをおとしめようとしたら俺が断罪される。
だからもうおとなしくパーティーから抜けるしかないんだ。だが1つだけ確信している。マルス、お前そのサラって女も自分のハーレムに加えるつもりだろう。
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