第26話 あの時の家

 わたくしが、まだ花も恥じらう乙女だった頃……

(誰だぁ!そんな時あったの!?って思ったヤツァ!(# ゚Д゚)クワッ)



 当時私は、自宅から少々離れた高校まで通っておりました。

 夏場はともかく、冬場はもう帰宅する頃には外は真っ暗で……

 部活動を終えた私は、その日も暗い夜道をいそいそと歩いておりました。


 バス停から家までは徒歩10分ぐらい。


 閑静な住宅街の中にあるバス停で降りると、しばらくは住民がワラワラと歩いているのですが、そのうち各々の目的地に向かって三々五々、散ってゆき――いつも気が付くと自分1人。


 寂しい住宅街の中を歩いておりました。



 途中、家が数軒、軒を連ねる通りを歩く。




 その、角地にある家の前を通り過ぎようとした時――

 なぜか視線を感じて、私はチラッと家の方を見ました。



 すると、明るい窓辺に立って、こっちを見ている住民がいたのです。





 家の中から、目の前を通る自分を、じっと見ている男がいる……














 全裸で。









 その男は両手を腰に当て、窓の前で仁王立ちしていたのです。


 窓にカーテンは引いておらず、通りと家を隔てる垣根は視界を遮るほどの密度はない。

 外は暗く、中は照明の明かりでよく見える。



 私はそこに、信じられないを見て飛び上がりました。



 男の顔よりも、私の視線は体の中心よりやや下方へ。

 黒いモザイクがかかったようなを認識した瞬間――私の頭の中は真っ白。



 あまりの衝撃に、悲鳴もあげられませんでしたわ(笑)




 逃げるようにその場を立ち去って、必死に今見たが何だったのか……

 思い出すとショックと気持ちの悪さで、その日の夕食はほとんど食べられませんでした。


 いやぁ……純真な乙女だったんですね。

 あの頃の私。



 今ならマジマジと見ちゃうかも♥

 場合によっちゃ舌打ちするかも(笑)

(# ゚Д゚)チッ!ツマンネェモンミセヤガッテェェェ



 あの時、あの家の住民が何を思ってあんな所で、あんな姿で立っていたのかは分かりませんが――




 今も時々実家に帰って、あの家の前を通るたびに


「あの時の家」


 という衝撃の思い出が頭をよぎります。








 ――お父さんのモノしか見たことなかったのにっ!!(笑)






 2024・12・16

 天気 快晴





















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