第85話 ココへのお祝い

久々の休日!夫は今夜夜釣りに行くらしい……。

太刀魚狙いについて行くんだとか。すっかり釣りにハマった様で、釣り雑誌なんか買ってきてたり、今日など夜に竿を出してきて拭いては眺めニヤけているのを見てしまった。浄化をしたから拭かなくても清潔なのに。

 

 私を連れていってくれる約束は?気を遣って異世界でも釣りはしてないのだけれど。

「村瀬さんにご迷惑じゃない?太刀魚って初心者でも狙えるの?」

 前回も小鯖ばっかりだったのにまだ釣り2回目である。

「迷惑にならない様に色々教えてもらってくるよ。君に美味しい食材を渡したいんだ!」

 全く、夫と言い鑑定と言い、私が食材にしか興味が無いと思っているのは心外である。

 


異世界。

 ワイバーンを浄化、解体して魔石を見る。

 熊の魔石より大きい!

 羽は大きいけれど、過食部は見た目よりも多くない。体の大きさ=魔石の大きさではない気がする。鶏っぼくてジューシーか。塩胡椒で焼いて少しだけ食べてみる。

「うっっま!!!」

10メートルに対して肉が20キロしかないだけはある!さすが希少肉だ!知らんけど。

 

次々焼いて我を忘れてうまうま食べていると、後ろにジト目の唯花が居た。

「あっ……帰って来てたんだ……。」

「戦闘嫌いだと思っていたマスターがこっそり1人で冒険に行った件〜ワイバーンの肉はうまうまですか?〜」

「ラノベのタイトルみたいに言わないでww」

そして唯花から大ニュースが!何とココが進化しました!

 進化すると種族が変わるんだね!

見た目はあの親鶏よりトサカや尾が物凄く立派で、すっかり成鳥の威厳と美しさである。

お祝いにワイバーン肉20キロをココにあげたらめちゃくちゃ喜んでがつがつ食べていた。


 ココの種族は親鶏とは違ってエンペラージャングルフォールに。

「そのサイズの魔石には及びませんが、ダンジョン下層に行けばブルーベアが出ましたよ。ダンジョン内は常に浮遊魔力に溢れていて、10階層ごとに転移ポイントがあるので多分工房内から飛べると思います。」

「他の冒険者に見つからないの?」

「最高到達階数は9階で、熊は27階だから大丈夫ですよ。」

唯花がどんと戦利品を置く。じゃあダンジョンに行ってもずっと会えないなんて事は無いかな。良かった。

「ダンジョンにまだ熊が居て良かったよ。どうやらこの辺の熊が誰かさんに滅ぼされたみたいでさ。」

 唯花がそっと目を逸らした。

 なる程、唯花がココを焚きつけてる訳ね。

「ココには睡眠が必要だから夜通し攻略とかして無理させないでね。」

「夜はココは戻って来て寝るので大丈夫ですよ!」

 なる程、唯花は夜通し攻略しているのか……。


 冒険者ギルドに従魔登録をしに来た。ゴーレムドールとエンペラージャングルフォールはめちゃくちゃ珍しがられた。ついでに唯花が狩った熊皮を納品したら騒ぎになった……。

 その流れで軽くC級冒険者さんと体術で手合わせして、固辞しているのに融通きかなさに軽くむかついたのでギルドの練習場の的を吹っ飛ばして私は結局飛び級でF級からC級に最速で昇格した。あれは普通壊れないものらしい。


ちなみにおっさんと素手で戦うとかめっちゃやだから怖すぎて結界で防いだ。ワイバーンやボア君みたいに勢いは無いからぶつかっても死ななかったよ。ギャラリーはいなかったし、結界は知れるとアレなので内緒にしてくれるらしい。まあ結界はこれからも活用するけど。戦うならせめて女子を呼んでくれ。


 ダンジョン産だから売っても大丈夫だと思ったんだけれどいきなりの昇級。これはもしや噂のテンプレってやつではー。

倒したのはココと唯花なんですけどねー。なんで私が手合わせさせられるのかな?人に触れられるの好きじゃないのだよ。

 10階に到達すれば転移陣で入り口に戻れる事を話してギルドを後にする。ちなみに熊魔石の納品を強請られたけど拒否しました……。

 名前 ココ レベル42唯芽の従魔

エンペラージャングルフォールの成体 メス 

 HP 2618

 MP 2182

 力 675

 体力 1309

 素早さ 978

 器用さ 413

 魔力 1091

 運 55

 特殊スキル NEW!

 浄化 念話 飛行 水泳 HP自動回復 MP自動回復

 解体 MP消費軽減

 アイテムボックス

 探索系スキル

 索敵 隠密 気配察知 魔力感知 罠感知

 戦闘系スキル 

 身体強化 体術 挑発 威嚇

 耐性スキルNEW!

 火耐性

 魔法スキル NEW!

 水魔法 風魔法 土魔法 火魔法 無魔法

 光魔法 治癒魔法 植物魔法

 空間魔法 転移魔法

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