第8話 マスコミへの嫌悪感増大

 綿世は佐藤知事の財政立て直しの一環である天下り先にもメスを入れたことによって退職間近になり、萎む未来に失望していた。日頃の鬱憤の捌け口が告発文だった。告発文を公にする間に佐藤知事を貶める材料を探していた。珈琲メーカーを返却せず綿世と関係のあった黒川が管理する部屋に保管していたのも頷ける。

 百条委員会を主導した猪俣派県議会がマスコミに斎藤悪しの一方的な情報を積極的に流し、根拠の乏しい無記名アンケートとによって綿世康秀西播磨県民元局長の自害を佐藤知事の責任のように見える印象操作している。西播磨県民元局長が亡くなった直後のメディアの取材で亡くなった綿世が「プライベートのことで悩んでいる」という情報はマスコミから一切流れないのも不思議な事だ。

 煙のない所に火を焚き付けたのは、県民連合の武中議員、冨士田・長谷川自民党議員と菱尾議員が主な火付け役だ。彼らの思惑は、マスコミが先導し、世論を味方につけ、遂に佐藤知事に不信任決議を全会一致で佐藤知事を辞職に追い込んだ。民主主義の中で全会一致「80vs0?」に疑問を持った。

 そこにダークヒーローが食いついた。それは橘高志だった。橘は、独自で佐藤知事が辞めさせられた事情を調べた。調べ始めて直ぐに可笑しな点が橘の嗅覚を刺激した。橘は突飛な行動に出た。これまでもマスコミが嫌う案件を暴く活動を行う政党の党首だ。橘は兵庫県知事選に立候補した。選挙に出ることによって兵庫県民に真実を直接伝えることを試みた。「私には投票しないでください。私は真実を兵庫県民に伝えたい」と選挙運動を繰り広げた。橘は、候補者でありながらマスコミには報道する自由を理由に報道されないでいた。彼は、動画共有プラットフォームのmetubeに頻繁に自分に持ち込まれた情報を自分なりの裏付けを得て、投稿し続けた。彼の街頭演説には真実を知りたい有権者が群がっていた。彼は演説に優れ、有権者を引き付けた。彼への支持は、再選を目指し出馬した佐藤彦摩呂への関心をも高めた。佐藤彦摩呂は出馬当初はマスコミの印象操作の影響から罵声を浴びる方が多かった。それが橘が動けば動くほど「佐藤さん、ごめんなさい」に変わると同時に有権者の支持も増えていった。佐藤を貶めた百条委員会で兵庫県議会議員を蒼褪めさせる再選を成し遂げてしまった。悪を裁く百条委員会は、いじめで人を貶める悪意ある会として兵庫県のみならず国民にまで不信感を持たれ始めた。

 自分たちが辞めさせた知事が、民意によって返り咲いたことは、追いやった県議会議員の不要論が持ちあがる程の勢いとなった。党拘束の縛りが緩み、県政の歪みに耐えられない真実を知りたい議員が鹿の子の子のの子、虎視眈々と立ち上がり始めた。佐藤悪しの百条委員会が機能しなくなってきている。存続の危機にさらされている。橘が隠されていた公用パソコンの内容のタイトル部分を後悔したことでクーデターであることが公表されたのと同時に頼りのマスコミも報道内容に視聴者からの批判を浴び、風がやむように佐藤知事の案件から手を引き始めた。場を荒らすだけ荒らして謝ることもなく知らぬ顔をするいつものマスコミの姿勢がそこに会った。「悪いことをしたら謝る」こんな簡単な道徳観がないマスコミ報道する権利の前に存在価値がない事を国民に知らしめた。新聞社は、年間契約の購買者数の逃げが気になり始めている。動画共有プラットフォームが齎す影響力は、高飛車で見られるものではなくなってきている。それが兵庫県知事選で明らかになった。












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