無題

夏洲(かしま)

ⅩⅤ-1

14歳

そんな少女の前で

爆撃に

さらされた

人間が

バラバラと落ちた

命がもうないとわかっても


少女の心を抉った記憶は去ることはない


幾年経っても

少女を苦しめる光景


でも

彼女は

母となって

命をひとつ

抱きしめていた


消えない光景に

苦しめられながら

それでも

ひとつの

命を

抱きしめて




命を大切に

慈しむ心が

育っていて

それだけは

救われる思い








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