詩集の窓辺

ありもと優

第1話 ワタの親友





私の永年の親友

それは本だった



最近になって

対象が変わった

何十年も一緒にいる

ぬいぐるみ



私は

ずっと

仲間を探していた

あちこち

求め歩いた

でも私は親友がほしかったことに

やっと気付いた



ぬいぐるみは

ただの布と綿(ワタ)で出来ている

抱きしめるには

私にぴったりサイズ

刺繍で編まれた目は閉じている

鼻は

どうしてか むらさきいろ

頬はピンク色の香料で染められている

手は長いのに

足が異様に短い





かわいいよ









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