魂に救いを
魔装凶器、合計十六体。
付属、武装人器は十五体。
今回の大量魔装凶器発生により。
武装人器は三体が破壊。
そして魔装凶器は全滅。
その内訳として。
先行していた
魔装凶器を二体、撃破。
その後、応援としてやって来たトワイライトにより、残る十四体が完全破壊と言うカタチで終わった。
下手をすれば、更に被害が甚大となる筈だった。
だが、彼女の登場により、被害は最小限に収まったと言っても良いだろう。
「…」
トワイライトは、戦闘終了後。
他に仲間が居ないか、逃げ遅れた者が居ないかを探るよりも。
先ず最初に、限界を迎えた武装人器に向けて膝を突く。
人が振り回せる程のサイズになった一振りの剣。
刀身は罅割れていて、其処から光が溢れている。
彼女が使用した事により、武装人器はその|
それを理解しているからこそ、トワイライトは、別れをきちんと行うのだ。
「貴方の征く道に遮りがありませんように」
「その体が楽園へと導かれますように」
「その心が永遠の幸福で満たされますように」
両手の指を重ねて祈りを捧げる。
既に人間としての命を終えた武装人器。
その器には、ただの武器として残っていない。
「は…ぁ…はぁ…」
背後から、息が絶えた声が聞こえて来た。
彼女はゆっくりと後ろを振り向くと、其処には、三人の
一人は怪我を負っていて、よく見れば、彼女は、天に召されようとする武装人器と契約した
「動いたらダメ、あんたも死んじゃうよ!」
一人、彼女を連れて来た
更に、もう一人の
「そうだよ、武器だから壊れるのも仕方ないって、それよりも自分を優先しなよぉ!」
二人の言葉に、それでも。
その
「それでも、私の武器だもん…ずっと、一緒に戦って来てくれた…武器なんだもん…」
大粒の涙を流しながら。
最後まで、主の為に命を尽した武器に最大限の敬意を払いながら頭を垂れる。
「…貴方の
「はい…は、ぃ…」
光が漏出し尽くした剣は、ゆっくりと血の色に似た錆へと変わっていき、最終的に、風と共に散っていった。
これが、武装人器の末路である。
それを、トワイライトは、悲哀の表情を浮かべながら、その魂が、救われている事を願った。
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