第36話 マッサージ機 バスケットボール
BBQは大変好評でみんなお酒を飲みながら夜中まで続いた。
しかしそろそろ眠いんだが…シロも眠そうだ。
泊まる人はベッドを用意しておくので自由にどうぞと言って眠い僕とシロは寝室に向かった。
随分楽しそうだったしまだまだ宴は続くのだろう。
明日はバスケットボールに誘おう、せっかく作ったし気に入ってくれると良いけど。
そんな事を考えているとドアがノックされた。
ドアを開けるとキアラちゃん?と数人のサキュバスさん。
「どうしたの?お肉とか無くなった?」
なんとなくだが的外れな質問をしている事は分かっている、しかしなぁ…
「ショウさん、お願いがあるんですけど私達ってサキュバスなので夜になると性欲が上がるんですよね。なのでお願いします!」
どうする…いや別に良いんだけど、いざとなるとユキさんにすごい顔向け出来ない気がする!
そしてシロにすごい目で見られる気もする!
いやでもこれはどちらかと言えばスポーツの類のような…いやしかし…良いのか?
少なからず今この施設にいるシロは悲しむかな…サキュバスの足と胸を見てただけで怒ってたし…
それは…嫌だな…。
もうこれしかない。
「とても、とても魅力的なお話なんだけど今日疲れちゃって、みんなも疲れたでしょ?いい道具があるんだよね」
ステータス画面を開き…電動マッサージ機を人数分交換、ハンディタイプだから持ち運び可能で疲れた場所にピンポイントで当てられる優れもの!
キアラちゃんは少し観察した後、用途が分かったようで、
「ショウさん!これすごい刺激ですね!とても気持ちよさそうです!」
そうだろう、きっと気持ちいいよ。肩凝りとかに使う機械だからね。まあどこに使うかは任せるけどね。
サキュバス達はニコニコしながら部屋に帰って行った。
サキュバス達を見送った後…
「うわあああ!勿体無い気がするうううう!」
僕は心の底から声が出た。
だって…僕は童貞だもの!!こんな急展開に対応出来ないよ!
理想のマイホームの為に勉強、勉強、仕事をし続けていたんだ。恋愛なんてしてる暇なかったんだよ…
本当だよ?
天井に向かって言い訳をしながら僕は悶々として眠るのだった。
翌朝、妙に肌ツヤが良いサキュバス達、それに引き換え…
「シロとホノカ、どうした?なんか疲れてない?」
夜更かししちゃったか?女子会的な?
「ショウ!なんなのあの道具!うるさくて眠れないわよ!」
「すごかった…あの振動音とサキュバスの艶のある声…寝られるわけがない…」
あー…きっと肩こりが酷かったんだろう。きっとすごい気持ち良かったんだろうさ。
シロは昨日のミニスカートだが上には大きめのTシャツを着ていた。
やはりチューブトップは恥ずかしかったか。
しかしこれは…すごい可愛い…
「ショウさん!あの道具貰っても良いんですか?すごい気持ちよくて何回も…」
キアラちゃん、ツヤツヤしてますね!しかし待って欲しい。
「ちょっと待って、それ以上はまあ良いじゃないか、道具はあげるからゆっくりご飯でも食べてよ。」
それ以上言わせたらなんか全部水の泡な気がする。
みんなご飯を食べて落ち着いたので朝の運動と称して体育館へ誘ってみる。
昨日家に帰ったサキュバスもいるのでサキュバスは10人、そしてシロとホノカだ。
そしてバスケットボールの説明。
ルールは簡単なのでみんなすぐに覚えてくれた。
ホノカ以外は…まあ君はちょっと見て学習してくれ。
そしてシロは運動が得意では無いらしいので僕の横でミルクティーを飲んでいる。
「楽しそうです!チームに分かれてやってみましょう!」
お、いいぞ、サキュバスのバスケとか見た事ないからちょっと楽しみだ。
ドリブルはあまり慣れていないので基本はパス回しだ。お互いにボールを奪い合いシュートを打ち合う。
最初こそお遊びだったが途中からしっかりドリブルもし、パス、シュートと本格的になってきた。
「ショウ…?」
シロさん。分かってる、分かってるよ。
スカートで動き回るから色々見えるって言うんだろう。なんなら言われるまで見続ける気だったよ。
「あの!チームが分かりにくいので色分けした服に着替えませんか?」
確かにそうですねと納得してもらい、赤と青のユニフォームを渡す。
「ショウ…?」
分かってます、着替えるから後ろ向いてろって言うんですよね。
最初だけでも見られればいいなって思ってたよ。
全員ユニフォームに着替え、また試合再開だ。
いやぁすごいっすね、もうちゃんとバスケしてるよ。
「シロはやらないの?」
「ショウの隣で見てる…。」
なんか最近シロといると落ち着くな。物静かな子だし頭も良いから気を遣えるんだよね。
そろそろ時間計ってちゃんとした試合形式でいけそう。
そんな時に名乗りをあげる勇者様。
「なんとなく分かったわ!私も混ぜて!」
大丈夫?まずその剣置いて?何に使う気?
赤チームにホノカが入り、青チームに僕が入って数を合わせた。
シロは応援担当、僕頑張るよ!
6人づつと少し多いがまあなんとでもなるだろ。
とりあえず試合開始だ!
相手ボールから始まり上手いパス回しでどんどん攻め込まれる。
僕はボールを追いかけるが中々に手強い、あっさりドリブルで抜かれてしまった。
サキュバスって頭も良いし運動も出来るの?
しかしシュートはなかなか決まらず奪ったボールは僕に回ってきた。
「ショウー頑張れー」
シロの応援!ここはかっこいいところを見せたい。
なんとかドリブルでゴール下まで行き、シュートを決めた。
こんな上手くいくもん?今の僕輝いてない?
「ショウさん流石ですね、でも今度は止めますよ!」
キアラちゃん…できればあと何回かはカッコつけさせて下さい。
相手ボールで今ボールを手にしてるのはホノカだ。
大丈夫なのだろうか…
「あのゴールに入れればいいんでしょ?任せなさい!」
ホノカは振りかぶり、ゴールに向かってボールをぶん投げた。
ボールはゴールに直撃し、跳ね返って…味方のゴールへ吸い込まれた…
バスケでオウンゴールなんてあんの?奇跡的に下手じゃん。
それからもホノカは暴力的なプレイをしていたので退場、もう少し見て勉強する事になった。
「バスケってゴールに球を投げるゲームだと思ったのに…」
いやそうだけどお前のそれはゴルフに近いんだよ。
ホノカが抜けたので僕も抜けようかと思っていると、相手チームにシロがいる。
「楽しそう、少しだけ遊ぶ」
そうだな、見てるだけじゃつまらないもんな。
試合は白熱し、みんなどんどん上手くなっていく。
そして身体がある程度ぶつかるスポーツなので…
「キャッ!ごめんなさい!」
接触事故もある。まあスポーツだから、この柔らかい感覚もその一部だから!
「ショウ様って意外にたくましいですのね。」
「あの顔であの肉体は生唾モノですね」
そんな声も聞こえてくる。
悪い気はしないよね。
試合終盤、点差は1点、僕がこのボールを決められるかで勝負が決まる。そして前にはシロのみ。
シロはなんとしてでも止めようとボールを見つめている。
そして僕は横を抜けようとしたタイミングでシロも横に飛び出し、二人で倒れ込んでしまった。
熱くなりすぎた…
「シロ、大丈夫か?」
シロに馬乗りになってしまった、はやくどいてあげよう。なんか僕の手がシロの胸にあるけど。
「ショウ、くすぐったい、あと恥ずかしい」
すまないシロ、なんか手が勝手に動いて揉んでしまったんだ。今しかないって思ったんだ。
「ショウ!あんたシロに何してるの!」
あ、剣聖のホノカさん、邪魔しないで?今どくから。
いつの間にか試合は終了しており、僕達の負けになった。くそう、僕が決めていれば…もう勝負なんてどうでも良いけど…くそう。
二人で立ち上がり、シロに謝っておく。
「ごめんなシロ…怪我ないか?」
「大丈夫、ただちょっと…身体が熱い」
サキュバスはキャーキャー騒ぎながら見守っている。
ちょっと静かに!今いい所だから!
「たまに身体を使って遊ぶのも楽しい、もう一回やる。」
あれ、結構普通な感じ?
ホノカが今度こそと僕と入れ替わり試合が始まった。
ホノカも流石にマトモにゲームをしている。
試合終了後に感想を聞くと、楽しいしスッキリする、ボールだけ貰えればサキュバスの町にコートを作ってみんなで遊ぶと言っていた。
バスケが盛んなサキュバスタウン、良いじゃないか、健康的で。
みんなお風呂に入るので解散、僕もそろそろ帰らないとと言うと残念ですけどまた来てくださいねとお願いされた。
夕食にカレーを食べてサキュバス達は家に帰り、僕とホノカとシロだけになった。
「しかし楽しかったわね!みんなで騒いで」
「そうだな、幸せポイントも大量だよ」
シロはお疲れか?ぼーっとしているような…
「私露天風呂行くわ!シロはどうする?」
「私は疲れたので休む」
バスケ一生懸命にしてたもんな、おやすみ。
じゃあ僕も寝るか、起きたら運転してギルドに報告に戻ろう。
【シロ視点】
確かに疲れた、私は移動も魔法を使うので普通に走り回るのは久しぶりだ。
でも大勢で遊ぶの楽しかったな…あんなの初めて。
みんなシロさん!ってパスをくれた、私そんなに上手くないのに。
そして最後はショウに胸を揉まれた、事故とはいえ上に跨られたし…その後から少し身体が熱い。
そして寝室の隅にサキュバスは忘れていったマッサージ機を見つけた。
「使い方は見てたから分かる、なんか凄そうだったな…少しだけ…」
シロはスイッチを入れた。
【ショウ視点】
翌朝
「ギルドに報告に戻ろう、けっこう長居しちゃったな」
ホノカはまだ寝ていた。シロはミルクティーを飲んでお菓子を食べている。
頭使うから甘い物美味しいんだろうな。
「なんかシロ…ツヤツヤしてない?昨日何かしたの?」
「な!何もしてないもん!」
もん?シロさん大丈夫か?
まあ疲れてるなら寝てるといいよ、ギルドまで移動しておくから。
「大丈夫、ちゃんと起きてる。」
そうですか…
遅くなったけどギルドに戻ろう!
僕は好青年であり続けたよ!
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