番外編 地方在住者の同人活動

同人イベント遠征のコツや考え方 地方在住者編

 同人誌の即売会は首都圏に集中している。言うなれば都会人が許される特権とでも言うべきか、首都圏に住んでるか住んでないかで、同人誌即売会は参加のハードルや難易度(おもに経済的な理由)が上がってくると言っても過言ではないだろう。

 個人的な指標としては「公共交通機関で始発に乗ってサークル入場に余裕をもって間に合うかどうか」が判断のポイントである。例としてコミケは朝の9時30分がサークル入場締め切りなので、入場までを考えて始発に乗って9時ちょうどごろに現地到着可能であれば十分に近場の要件を満たしている。あなたは恵まれた土地に住んでらっしゃいますね。羨ましいなぁオイ(地方民の感想)

 逆にどれだけ頑張ってもサークル入場に間に合わない、あるいは間に合うかギリギリすぎる!という場合は前日の首都圏入りを考慮する必要があり、イベント「遠征」という計画を立てる必要がある。


〇移動

 移動に関しては住まいの地域⇔会場の地域までの距離で決まるが、四国・九州・沖縄・北海道は移動費・時間が極めて高くなる。同じ首都でも離島住まいの場合も同じだ。アプリの路線情報などで乗り継ぎなどを調べて、どのルートが最適かどうか調べた方がいいだろう。

 移動費というのは地方在住者にとっては往々にして高くなりがちになり、強い負担となって財布を圧迫してくる。人はどうしても「安さ」を求めがちであるが、大抵、安く済む移動ルートというのは時間を食うし、それだけ移動で体力を消耗してしまう。車や電車内で寝るのが難しい場合は特にそうなる。特にコミケのような早朝参加が基本な大規模イベントは体力も必要になってくる局面があるので、移動でごっそりと体力が減っていると本番に響きかねない。

 自家用車での移動は公共交通機関と違い、出発時間に囚われない選択肢であるが、結果的には長距離を自分で移動して体力を消耗するし、尚且つただでさえ車が密集している都心部で駐車場を探さねばならないし、目的地までの到着時間も渋滞などに左右される。前日入りの足として使うのなら理想的ではあるが、高速や燃料代も必要になってくる。

 なので、個人的には「経済的に問題がないのなら、無理にケチらず旅の道のりは快適な方を選ぶ」方をオススメする。深夜バスや細かな駅を乗り継ぐ各駅停車を駆使して金をケチるよりも、新幹線などでスッと移動したり、乗り換えが少ない選択肢を選ぶ方が結果的に良いこともある。北海道や九州・沖縄の場合は自ずと選択肢が空路か海路になって割高になってしまうが。

 何より歳を取ると強行軍の長距離移動はツラくなるから……


〇宿

 遠方からやってきた場合、宿の問題は常に死活問題となってくる。大抵、大型の同人イベントは祝祭日や土日と言った「宿が大賑わいする時期」とバッティングするので、それだけ宿の取り合いも厳しくなるし値段も高くなる。昨今はインバウンド需要でホテルの値段は右肩上がりになっており、滑り込みで予約を取る頃にはハチャメチャに値上がりしたり、そもそも予約が取れない事もざらである。ビジホが安くて手軽な時代は終わってしまった。

 なので、サークルの合否は別として次開催のイベントの日時が決まった時点で、ホテルの予約サイトなどで早めに宿を取った方が良いことが殆どである。落選したり参加辞退する事があればキャンセルすればいいだけの話(ただし直近のキャンセルは料金がかかる事も)である。早めに押さえておけば選択肢は沢山あるし、何ならホテルの予約サイトによってはかなり割安で押さえられる可能性すらある。

 特にコミケ――冬は年末に行うので、ライブやコンサートや旅行、年越しなどで上京する人達や外国人観光客も多くやってくるので、冬コミなら夏のうちに、夏コミなら冬の内に宿を予約する……という方法が一番効率的に予約を押さえられる。ただ、コミケの日程が大晦日・土日に重なってしまうと、個室ホテルを安く抑えるのは実質不可能である。ある程度の出費は覚悟しなくてはならない。

 安さを追求するのであればカプセルホテル、何なら漫画喫茶で……という人もいるだろうが、個人的にはケチって我慢するぐらいなら最低でもビジネスホテルぐらいは(経済的な問題がない限り)押さえておいた方がいいだろう。特に女性ならちゃんとした個室で宿泊できるホテルが安全である。若いうちは強行軍でもいいだろうが、歳を取ってくると宿のグレードが落ちると体力回復量も落ちるのじゃ……

 首都圏にリアルでの付き合いがある親しい友人や兄弟などがいる場合は、そちらを頼って泊まらせてもらった方が一番無難――と言うか安くて確実である。ただし、ネットで知り合った互いに顔も知らない人の家に泊まらせてもらうのはリスキーすぎるので、ちゃんと長い付き合いがあり信頼できる相手以外は避けた方が無難である。安全・安心を選ぶに越したことはない。


〇日数の設定

 前日入りして、当日にイベントをして帰れば宿泊代は1泊で済む。

 ただし、これは考えようによっては「もったいない」可能性がある、例えば相互のフォロワーや親しい創作仲間と飲みにいく、いわゆるイベント後の打ち上げに参加できなくなるというデメリットがあるし、イベント終わった直後に疲れた体で長距離移動をするのも酷く体力や気力も消耗する。ましてやコミケという超大型イベントであれば「イベントが終わった後に国際展示場駅付近から脱出する」事すら一苦労である。個人的には素直に「金と日程に余裕があるなら、もう一泊とっておけ」と思う。

 もちろん、経済的な理由だとかスケジュールの都合ならば仕方ないが、余裕があるなら「前日入りで1泊、イベント当日を楽しみ、もう1泊して休んでから帰る」という方を強くオススメする。

 地方在住者としては、せっかくの遠出だから旅を楽しんで、ゆっくり余韻にひたったり、リフレッシュする時間を作った方が得という考え方もある。


 地方在住者にとっては同人イベントはまさに「一大イベント」であり、それと同時にコストのかかる趣味ではある。高い交通費、宿泊代、多く見積もる必要のある休みがネックだし、人によっては数万円、もしくはちょっとした海外旅行へ行ける額のお金がかかる場合もある。だが、こうしてまでも参加したいという「熱」を感じてしまうのも、一つの事実である。

 実際、同人誌作りを初めて、今書いてるジャンルの作家たちと集まったりすると、かなり遠方から参加している人も割と見かけたりする。距離やコストと言った問題を差し引いても参加したい!という人はいるのである。

 ただ、遠方からの参加は上述の通り「コストが高い」ため、それをペイをする前提で本を売ろうという考えは危険である。よほど売れてるサークルでない限りは基本、遠方からの参加はほぼほぼ赤字である。イベントを楽しんだり創作交流するための出費、ぐらいの考えが一番ではある。


 また、首都圏在住者でも地方開催のオンリーイベントに参加する場合は、こうした遠征に参加する事もあるので、「泊まりがけで地方の同人誌即売会へ行く」場合は参考程度に考えておくとよいだろう。特に関東から関西圏のイベントへ行ったりする時は、こうした感じで遠征計画を練ってみてはいかかだろうか。旅と同人イベントがセットになったと考えれば楽しみも増えるだろう。

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