第11話 はぁ...これが恋?



「冒険者登録をしにきました」


 少し動くとすぐにでも他の人にぶつかってしまう程の人だかり。受け付けはかなり混み合っていたが静かに30分ほど待っているとようやく俺の番になった。


 (受付嬢は――――うん、やっぱり可愛いな。こういう所は前の世界と同じなんだな、受付嬢が美人てだけでかなり印象違うもんな)


 まぁ美人のレベルが大分違うのだが……肩くらいまで伸ばしてある綺麗な金髪に目の大きさが俺の二倍くらいはある美人さん。

 やはりこの世界のベースは欧州みたいだ。スタイルも日本人とはかけ離れており、出るとこはしっかり出ているのにウエストはウソみたいに細い。

 チラッと他の受付嬢の方も見てみたがタイプは違えど皆かなりのべっぴんさん揃いだった。


「はい!ありがとうございます。私は冒険者ギルド レスティア支部の受付を担当させてもらってますユーリと申します。でしたらまずはこちらの必要事項を記入して頂けますか?」


 不思議な事に何故か俺はこの世界の文字を読み書きする事が出来た。恐らくこれは勇者召喚の恩恵なのだろうが、正直ステータスや魔法なんかよりもこれが一番助かった。 

 書類に特段難しい項目は無く、素早く必要事項だけを記入しお姉さんに渡す。


「はい確かに。レイア様ですね、ギルドカードの方が出来るまで少々かかりますのでその間にギルドについての説明をしてしまいますね!」


 ~毎度の事ながら要約します~


 冒険者にはランクというのがあって一番低いのがG、最初は誰でもGからの様で一番上がSSS。

 なんでもB以上はもうベテランの域の様で、それ以下のランクよりも圧倒的に数が減るようだ。


 (――――て事はSSSなんてもう人外なんじゃないのか……?なんでその人達が魔王を倒さないのか不思議でしょうがないな)


 受けられるクエストは自分のランクの一個下から一個上までのモノみたいで、例えばCランクの冒険者だったらB,C,Dのクエストを受ける事が出来るという事だ。

 まぁ命がかかっている事だし上のランクのクエストなんて受けるのはかなりの腕自慢かお馬鹿さんぐらいのモノらしいのだが。

 それとどうしたらランクアップするのかみたいな話はなんだか凄くごちゃごちゃしていた。とりあえず上がれる状況になったら受付嬢さん達が教えてくれるみたいだからその辺は今はいいだろう。


「ギルドカードが出来ましたよ!レイアさんは新人冒険者なのでGランクになります。これからの旅路に神の御加護があらんことを」


 なんか祈ってくれた。外人顔の金髪の美人さんが目を瞑り両手を合わせている姿はなんだかとても神々しく見えた。

 そしてその神々しいまでに美しい女性が今自分の為だけに祈ってくれているという目の前の光景に不思議な高揚感の様なモノを感じた。



 母さん――――これが恋なのかな



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