第26話 手紙2

「おはようございます」私は朝起きるのが早い。

「おはよう!叶ちゃん」朝起きてリビングに行くといつも天のママが挨拶してくれる。

「天も叶ちゃんを見習って早起きしてくれるといいんだけどね」

「天は起きるの遅い方なのですか?」天とは小学・中学と別だったため詳しくは分からない。

「そうねぇ、中学まではちゃんとしてたんだけどね」

「そうなんですね」

「そういえば、叶ちゃん宛に手紙が届いてたわよ!」

「私にですか?」今更、私に手紙をくれる人がいるのかと驚いたが見てみることにする。

「えっと、『詩七乃』?」

「知り合いから?」

「いえ、こんな人は知らないです」

「でも変ね。なんで叶ちゃんがここに住んでること知ってるのかしら」

「確かにそうですね」天のママの言う通りだ。私がこの家に住んでからまだ1日かそこら。知っているのは四条家と天の家族のみなはず。第三者が知る由もない。

「詩七乃って、何者だ?」私は怖くなった。姉が行方不明になってからもう少しで1ヶ月になる。

もしこの人物が姉なら名前を変える理由が分からない。誰かに依頼されて手紙を、よこしたのか?差出人ばかり見てても仕方ないから中身を読んでみることにした。

『叶太へ、元気にしていますか?私は元気です!しばらく帰れずにごめんなさい。今度時間が出来たら会いに行こうと思っています。いづれ会いましょう。世間話はその時に』私が手紙を読んでいると天が起きてきた。

「おはよう!ママ。かなも」

「おはよう」私とママは挨拶する。

「叶、誰からの手紙?もしかしてラブレターかな?」天は小悪魔のような顔でこちらを見つめる。

「ラブレターなんかじゃないよ!」キッパリ否定する私。

「なんだ!叶の彼氏が拝めるかもって期待しちゃったじゃん!」

「私は彼氏なんて探してないの。それより天は良い相手いないの?」

「あら、それは私も気になるわね!いないの?」天ママも気になるらしく居ないのか聞いていた。

「もう!ママまで!そんな相手いないよ」

「それは残念ね」

「それよりお腹空いたー!」

「今用意するから顔洗って来なさい!」

「はーい!」顔を洗いに洗面所に行く天。

「叶ちゃんもご飯出来たわよ!」

「いただきます!」

「いつもありがとうございます!美味しいです」

「喜んでもらえて嬉しいわ」

「いただきます」

「今日、日直なんじゃなかったの?」

「なんでママがそんなこと知ってるのよ!」

「叶ちゃんに聞いたの!」

「叶ったら!今日は遅めに行こうと思ってたのに」

「用事がある時は早めに行った方がいいわよ」

「それもそうね」

「行ってきます!」私たちは学校へ向かい出発する。

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