第73話
焔side
おおっ。
おおおおおっ。
かつて見たことない程、桜竜の瞳が輝いてる。
可愛いな!
GGだ、大地!
そして桜竜が料理を作るというならっ、撮るしかないだろ。
「OKだ」
「何がだ。止めろ。撮るな、アホ」
準備バッチリの俺に対して、大地の後ろに隠れる桜竜。
「睨むなよ」
「うるせぇ」
俺は大地を睨む。
なんでだ。
なんで大地ばっかり。
「で?どうする、桜竜ちゃん」
大地が優しく桜竜に話しかける。
もう、なんか小さい子供に話しかける感じで。
大地には桜竜がそう見えてるということか。
「……あたし本当に料理したことなくて。食材をダメにしてしまう。もったいないからあたしは見て」
「桜竜」
桜竜の視線が大地から俺に向けられる。
それだけで心臓が高鳴る。
勝ち気たっぷりの大きな瞳。
最初に惹かれたのはこの瞳だった。
俺達が一緒に過ごした時間はまだ全然少ないが、一緒に居て気づいたことがある。
惹かれたその瞳がたまにひどく頼りなく、迷子のように心細く揺れることに。
今もそうだ。
俺と居る時はそんな瞳をさせたくねぇ。
だから。
「桜竜の作ってくれたもんなら、例え真っ黒焦げだろうが俺が食う。無駄にはしねぇ。だからなんの心配もせず作ってみろよ」
「進藤……」
「え?」
「……焔」
「うん。やりたいならやれよ」
「さすがに真っ黒は身体に悪いよ?」
「心が真っ白だから、なんの問題もねぇ」
「どういう理屈だよ、そりゃ」
大地、うるせぇ。
「ふふっ。……ありがとう」
ぶっきらぼうな声でお礼を言われた。
だがそっぽをむいてる顔は、はにかんで笑っていて。
「~~っっ」
この笑顔のためならなんでも食おう、うん。
「桜」
「良い雰囲気の所、申し訳ないが」
「「!!??」」
ニヤニヤ笑う大地。
「じゃ改めて。どうする?桜竜ちゃん」
「作りたい」
ハッキリ答える桜竜。
その瞳は勝ち気なものに戻ってる。
それでいい。
「了解。じゃ準備しようか」
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