第71話
「桜竜が買ってくれたものだ。美味いに決まってる。だが、二人で分けあって食べたらきっともっと美味いと思う」
な?と笑いかけてくる進藤。
……なんだろう、進藤の笑顔がどんどん幼くなっていってるような?
……一緒に食べる。
「そうだね。それは美味しそうだ」
進藤と大地と食べると賑やかで……楽しくて美味しいんだろうな。
「おっ。じゃあ早く帰ろうぜ。……いや、ゆっくり帰ろう」
「どっちだ」
「桜竜に早くご飯を食べさせてやりたい……がもう少し二人で居たいってのが……な」
っっ。
「……まだお腹は大丈夫だよ」
「桜竜……」
ポロッと口から出ていた言葉。
誰かと居る贅沢な時間は今日で最後だから。
歩くスピードを落としゆっくり歩く。
「お?大学いも二個買ったのか」
「うん。これは大地の分」
「…………」
ビキッと進藤が固まった。
「進藤?」
のも一瞬で
「桜竜」
「ん?」
「それは俺から大地に渡しとく」
「へ?いやいや、いいよ。自分で渡す」
「ダメだ!!」
「へ?」
「桜竜が俺以外の誰かにプレゼントをやるなんてっ」
プレゼントって、そんな大袈裟な。
大学いも一パックだよ?
「嫌なもんは嫌なんだよ」
ブスッと膨れっ面になる進藤。
これはどうしたら……。
大地にはご飯を作ってもらうし……お礼。
「……焔」
「……………………」
「……………………」
「はぃい!?」
進藤の声が裏返る。
「これは大地の。わかった?」
「……もう一回呼んでくれたら」
何故か真っ赤で、そっぽを向いてる進藤が言う。
「えー」
「嫌なんかいっ」
「焔」
「っっ!こっっ今回だけだからなっ」
「ハイハイ」
お礼も、アンタ達に会うのも……名を呼ぶのも、今日が最初で最後だよーーーーー。
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