第43話

「こちらぇ~、どうぞぉ~」




……。




「「殴っていいか?」」




美己と声がハモる。




「いやいや、ダメに決まってんだろ。何言ってんだ」




見た目はチャラ男、頭脳は中々の真面目。



な大地に止められる。




「えー……」




不満げな美己。



だよな。



なんでイチイチ語尾を伸ばすんだよ。



チラチラこっちを見ては、キャアッ!!とか言ってるし、美己のことはきっちり睨んでるしよ。



そう広くもない店内を見回しても桜竜は居ない。




キッチン……か?



皿洗いなんてこともしてたしな。



が、見える所には居ない。




マジか……。



休みじゃねぇだろうな。




ハッ!?



昨日の風邪が悪化したんじゃ!?




「ちょっとそこの百面相。早く座ってよ」




家に行ってみるか!?



って、桜竜の家知らねぇじゃねぇかぁぁぁぁぁっ。





嘘だろ……。




「ねぇ、もうあいつ気持ち悪い……」



「初恋を知った男とは……」



「もういいよ、それは」



「えぇー……」




為すすべなく席に着く。




「お決まりになりましたらぁ~。お呼び下さいねぇ~」




一生呼びたくねぇ。






「なぁ」



「はぁい。やだぁ、デートのお誘いですかぁ?私ならいつでもぉ、OK」



「病院行け」




なぁって呼び掛けただけで、そこまで妄想するなんて頭おかしいぞ。




「えぇ~、酷いぃ~」



「「っっ」」




またしても奴らに笑われる羽目に。



まぁ、そんなことよりも桜竜だ!!




「桜……。真田……さんは今日は居ないのか?」




この女と話したくはないが、桜竜が居ない理由は聞かねぇと。

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