新しい生活

迷子の地味子ちゃん

第1話




てくてくてくてく…………


さっきから、同じ所ばかりグルグル回ってる気がする……。


私が目指すこの場所は一体、何処にあるの?


地図を片手に睨めっこは、もう飽きた。



[────はぁ……」



溜め息もつきたくなるよ……


かれこれ、同じ所をさ迷う事2時間。


人に声を掛けるのが苦手な私は、誰かに道を尋ねる事も出来ずにいた。



やっと見つけた交番に、勇気を出して足を踏み入れたのに……


お巡りさんはパトロール中なのか、いなかった。



「ツイテナイ」



今日中に、辿り着けるのかな……


自分の方向音痴さに情けなくなる。



思い起こせば、自分が正しいと思った方向に進んで無事に着いた試しは一度もなかった。



「……………………」



戻った方がいいのかな?


そう思って、後ろを振り返ってみたけれど……


最早、自分が何処から来たのかさえ分からなくて。


あの時、寄り道なんてしなきゃ良かったんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る