幼なじみの恋と恋愛小説の恋。

秋猫

本編 episode0 はじまり

1話 幼なじみと始まり

中学3年、12月5日。

 

 外はひんやりとしていて空気が澄んでいる。

 みんなコートを着て登校していた。


 私は恋愛小説が好き。

 

 特に好きなのはツンデレなキャラクターと優しい主人公の恋愛模様。


 今日は友達と、特に好きな恋愛小説『林檎と心。』の事を話す日。

 少しわくわくしながら、学校の校門を通った。


 教室に入ると,暖かかった。

 そして、幼なじみの翔がいた。

 黒髪で跳ねっ毛。私は茶髪に跳ねっ毛。


 一緒だ…


 昔はよく直してあげてたけど、今は気まずい…


 そんな気持ちを持っていたけど、翔の方から声をかけてきてくれた。


 「おはよ」

 「おはよ…」


 …下を向いて挨拶した後、直ぐに授業の準備をして友達の元へ向かった。


 幼なじみに対してあまりよくないかもしれないけど…。

 あまり関わり過ぎてしまうと誤解されかねないから。 それに、


 「あ、美羽おはよう。昨日、美羽がおすすめしてた恋愛小説みたよ!」


 話しかけてくれたのは私の友達の春花ちゃん。

  小学生の頃からの友達で同じ恋愛小説が好きなんだ。


 その事は春花ちゃんから言ってくれたんだよね。


 「それでね、美羽が好きなキャラクター、翔に似てるよね?」


 「う…うん!何よりつんつんしているし優しくて可愛くて、主人公さんと上手くいくか見ていてどきどきするよね!」


 「そうだね!美羽も翔の事好き?」


 「そんな事ないよ!私は主人公さんみたいになれないし、幼なじみだから、ありえないよ〜」


 「そうなんだね〜」



 ――――

 この頃翔は、


 「そうなんだ…」


 自分のことを好きとも、嫌いとも言わない

 幼なじみの美羽の言葉に動揺したのだった。

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