東大陸で、感動の再か……え?
やっとのことでお礼から脱し、夕方までたっぷりと時間があったので、ちょっと念話の練習してみた。
カール君から侯爵夫人へは、遠くの人に念話を送る感じにしてもらったら、割とすぐできた。
だけど夫人からカール君へはかなり難しい。
なにせ夫人のレベルは4しか無いし、当然念話なんて送ったことも無いからね。
だけどこれを習得してもらわないと、カール君の言語学習が大変になる。
通訳なしでは、この発音がどういう意味なのかを伝えることさえできないんだよ。
カール君はレベルも半妖精近くまで上がってるから、頭の働きも良くはなってる。
だけど一方通行の会話で言語を習得するには、かなりの時間が掛かるはずだから。
何度か休憩や昼食をはさみ、ポーションも導入して夜まで頑張った結果、おでこ同士をくっつけていれば、夫人の思っていることが伝わるようにはなった。
カール君は恥ずかしそうだけど、夫人が念話に慣れれば、手を握るくらいで伝わるようになるよ。
これで言語習得も楽になるはずだから、もう私にできることはないね。
明日の朝には東大陸に着くはずだから、これまで会えなかった時間を取り戻す勢いで、親子水入らずで過ごしてください。
私は今から寝ないで浮島飛ばすけど、侯爵家一家が自宅で家族と過ごせる幸せを思うと、大満足で帰れるだろう。
浮島押さえつけて飛ばしてる魔素消費は結構大きいけど、多分半分くらい固有魔素は残りそうだ。
帰りは単体飛行だからそれほど魔素も消費しないので、ダッシュで帰ってニーナと一緒に家族の再会を喜び合おう。
……あの、女神様。私、なんか悪いことしましたかね?
あ、二百人以上黄泉送りにしてるか。しかも天使と間違えられても訂正してないし。
これはその罰でしょうか?
眼下には、魔物に包囲された町が見えてます。
この町、侯爵領の南にある魔の森近くの町らしい。
父子の感動の再会は? 私、それ見て満足して帰る気だったんだよ?
どうしてくれるのこのやるせない気持ち!?
もういい、魔物たちに八つ当たりしてやる! 家族の感動再会シーンをお預けにされた、日葵ちゃんの怒りを知れ!!
浮島なんてでかい物に認識疎外掛けるのは魔素が大量に要るし、お客様一行を浮島に残したら、私との距離が離れる分、上昇を抑えるのに魔素が大量消費される。
それならみんなに認識疎外掛けて、町の城壁上に降りた方がいい。
カール兄よ。すまんが緊急事態だから我慢しておくれ。
え? 自分で飛ぶのは大丈夫なの? なんで?
城壁上では、兵士たちが外の魔物に向けて、必死に矢を放ってる。
指示出ししてる人を見つけて近寄ったら、侯爵夫人が『あなた!』って呼んだ。
え、侯爵って、最前線で陣頭指揮執るの?
城壁上に降り立って認識疎外解除したら、侯爵夫人が推定侯爵に駆け寄って行った。
「あなた!」
「なっ!? アナスタシア!? もう帰って、いや、こんな危険な場所に来るんじゃない!」
「侯爵夫人、カール君とカール兄をお願い。二人は言葉が分からないし、人族にも慣れてないから守ってあげて。私は親子の再会を邪魔した魔物をぶっ飛ばして来る!!」
そう宣言して、城壁上からひしめく魔物の中に飛び降りました。
お前らのせいで、感動シーンお預け喰らったじゃないか! ぶっ飛べ!!
レベルアップ遠征の時に編み出した二重回転ビームソードでの魔物ひき肉技を展開し、さらに外側にも二十四本のビームソードを追加。
このまま魔物の中を進めば、勝手に魔物は細切れになっていきます。
お前らの、お前らのせいでなぁ! 感動シーンお流れになったじゃないか! こんな場面でいきなり会っても、感動シーンになんてならないだろうがコンチクショウ!!
おらおらおらおら! 死にさらせぇぇぇぇ!!
※注:外見は三歳幼女です。
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