第15話
孤児院から常駐クエストへ毎日通っているが、今日は休みにした。
無休?大人でも厳しいのに子供でそれはないだろ。
昨日の反省から、リリーの状態に気を付けてやることにした。やっぱり女の子だしな。
ちなみに俺の気になる女の子はシスターだ。年齢差?
馬鹿言っちゃいけねぇ。俺の方が精神年齢はかなり上だ。
「しすたー。ぼくとけっこんしよう。しあわせにしてあげうー。」
たしか5歳くらいだったかな?はいはいありがとね、でも他に好きな人がいるのよ(ポッ)とかいわれて失恋した。
神父だな?そうだな?ま、わかってたけどね。いい人だしね。
将来稼げるようになったら、どかんと教会へ寄付してやんぜ。二人の為に。
さて、休みといえばやってみたいことがある。
「リリー街で屋台や出店まわってみようぜ。なにせ小遣いあるからな。フッフッフッ」
「ヒロ。ほんとに休んでいいの?せっかくムチの扱いがうまくいきそうなのに?」
「あー?休むって感覚がわからないか。
仕事はお手伝いと違って大変だから、休みをとらないとどこかで疲れちゃうんだよ。必要なことだぞ。かえって成長しやすくなるんだって。
それにな、楽しんで働けるのが一番だぜ。
働いた自分たちの金でおいしい物を食べたり、欲しいものを買う。
苦しんで生きるだけなら、生きてる意味がねえよ。
心配するなって。金勘定ならできるから教えてやるよ。いこうぜ。」
孤児院ってのは超貧乏だから、食べるだけで精いっぱいだ。加えてお手伝いはあるは小さい子の面倒はみるわで、実際休む暇ってない。
だけど、働いているなら別だ。お手伝いとはわけが違う。半分とはいえ独立してるんだからな。
・・・・・
街をでてまずは屋台を見てみる。いままでは遠目でみて、おいしそうだなーとか指をくわえてみていたあれだ。
孤児院で飯を食っているといっても、飢える寸前の食事で、硬いパンと薄いスープが定番だ。
きになっている肉串の屋台をひやかすとしよう。
「いいにおい。ここで聞いてみよう。おじさん、これいくらすんの?」
「ん?おまえら孤児院の子か?金は大丈夫か?
うちは味付けと下ごしらえに自信があるからな。うちで食べたら他では中々満足できないぜ。
一本100G(百円)だ。」
安っ!しかし、この値段ですら買えない孤児院って最底辺もいいとこだな。
「冒険者始めたから大丈夫だぜ。2本くれよ。・・・ほい鉄貨2枚っと。」
「毎度あり。小さい子なのにもう冒険者か。気をつけろよ。
しかしその年で冒険者もすごいが、勘定もわかるのか。たいしたもんだな。
また買ってくれよ。」
さて、こうゆうのは歩きながらでもいいんだが。
「リリーどうする?歩きながら食べるか?そっかー慣れないしゆっくり食べたいか。
じゃ、噴水広場の芝生へいこうぜ。
その前に果実水もかっていくか。何がいい?」
リリーは嬉しそうにリンゴの果実水がいいといったので、おれはオレンジの果実水にする。これも一杯100G(百円)いいね、昭和の食べ物かよ。わかりやすくていいわ。
そのあと噴水広場の芝生へ座って食べてみる。
うまいな。なにせ孤児院だと肉じゃなくて豆くらいしかタンパク質とれないしな。
これからは資本は身体だから、こっちも気を付けないとな。
「ヒロ。この肉おいしい。に、肉なんて何時ぶりかな?おいしー。
あ、この果実水も甘ーい。おいしい。ヒロおいしくてうれしい。」
リリーもにっこにこだ。そりゃ豆が悪いとは言わんが、肉には勝てんだろ。しかもこの肉串ほんとうまいわ。
何の肉だろうな?聞いたことある肉ならオークだけど、ホーンラビットもうまいはずだ。しかも孤児院のうっすい味付けじゃない。
タレ?多分果実や他の物をブレンドして前世の焼肉のタレっぽい雰囲気がある。実際の味は全然おいついてないだろうが、今までが最底辺だったから、極上に感じる。
リリーもおいしそうに食べるから、合せてよけいにうまく感じる。そりゃそうだな。こんなもん、仲間と食べるのが一番だ。
食事を楽しんだ俺たちは、今度は雑貨の屋台を覗いてみた。
身の回りの小物もきになったが、毒消し売ってたので買っておいた。
二つ買って銅貨2枚だった。(2000G:2千円だね)
※本日の成果(五日目)
級位 22
スキル増加 なし
レベル 変化なし
報酬 0G(休みだからしょうがない。)
孤児院へ 0G
残り 6600G(二人で)
G級 変化なし(二人共)
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