第22話
快不快がよく分からない。
不快には比較的、気づきやすい。
性格的にも、そういうタイプだと自覚している。
それに比べて、快に気づくのは難しい。
僕のために何かを考えてくれたり、時間を取らせてしまったときは、不快でなければ、ありがとうと言っている。
心から出た言葉に比べると、ずいぶん不誠実な気もする。
それでも、誰かの行為を軽んじるような人間ではありたくない。
ありがとうと伝えるべき相手に伝え忘れるくらいなら、ありがとうと言っておきたいと思っている。
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