第12話
ある時、ふと真実に目覚めてしまうことがある。
例えば、テレビドラマを見ている時。
「あぁ、この俳優さん、めちゃくちゃ頑張って演技してるな」と気づいてしまう。
物語は消え、俳優の努力だけしか見えなくなる。
例えば、野球を見ている時。
何で球を投げて、それを必死で打ち返してるんだ?
それで年俸が数億円?
日常にある無意味を覗く。
そして、また現実に引き戻される。
無意味に見えることこそが、人間を人間たらしめているのかもしれない。
いったいなぜ僕は、ここでこれを書いているのだろう。
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