ライトニングサンダーボルト、魔法使いにキノコを渡したら魔法を貰った。
SIYORI
旅立ちの章
第1話 始まる日
ライトは、重厚な扉の前に立っていた。
ついに、この日が来たのだ。
先日、彼は12歳の誕生日を迎えた。
12歳――それは、冒険者ギルドに登録できる年齢。
ライトにとって、待ちに待った瞬間だった。
ギルドの受付に立つと、美しい受付嬢が微笑みかけてきた。
緊張が、さらに高まる。
「字は書けますか?」
透き通る声に、ライトの心臓が跳ねる。
「か、書けます!」
震える手で、登録用紙に名前、出身地、そして職種を書き込む。
「ライトさんですね。出身はアカマット村、職種は魔法使いっと。」
彼女は手慣れた様子で書類を処理し、次に無地のカードと小さな針を差し出した。
「このカードに血を一滴垂らしてください。これで登録が完了します。」
ライトは指先に針を刺し、滴る血をカードに落とす。
カードが淡く光り、すぐに元の無地に戻った。その光景に、少しだけ胸が高鳴る。
「はい、問題ないですね。これでライトさんはG級冒険者です。初級冒険者の説明をしますね。」
藍色の髪と瞳を持つ少年に――サイファは、丁寧に説明を始めた。
説明は小一時間ほど続いたが、正直、ほとんど頭に入ってこなかった。
特に注意されたのは次の3つ。
・G級は討伐依頼を受けられない
・危険なエリアへの立ち入りは禁止
・F級への昇級には、100件以上の依頼達成と一定の達成率が必要
それにしても――。
(こんなに胸のおっきな美人と、まともに話すなんて初めてだ……!)
サイファの真剣な説明を聞きながらも、ライトは頭の中で別のことでいっぱいだった。
「では、ライトさん。危険なことは絶対に避けるようにしてくださいね。」
「は、はい!気をつけます!」
最後の忠告を受け、登録が完了する。
ライトはようやく自由の身となった。
こうして、後に“ライトニング・サンダーボルト”と呼ばれる少年の冒険が
静かに幕を開けた――。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます