第23話
「不満じゃないよ、ヒカリ」
ただね、ただ、
「あんなに楽しかった、温かかった、」
あの日々は幼い頃の唯一の宝物で、
今でも目を閉じれば昨日のように思い出せる、
「大切な日々を、」
あたしの大好きなヒナ兄は、
「簡単に忘れてしまった。その事実が、悲しくて……」
許せない。
「緋衣、」
「ヒナ兄は、もう大切な家族がいる。あたしにもいる。もう忘れろってことかな…?」
潮時だったのかな?
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