第39話

「お、それそれ。やれば出来るじゃねえか」





「あのね、さっきから何!?やたらと突っかかってきて。正直ほっといて欲しいんですけど!?うざい」






「なに、お前は自分の本当の性格を閉じ込めてるタイプなの?

そんなんじゃ人生つまんなくったって仕方ねえだろ」





「うっさいな!貴方には関係ないでしょ!?」





「まあな」






ドヤ顔をする目の前の男。





物心ついた時から“あたし”をどこかへ追いやって、わたしとしての性格を使っていた。

こんなボロを出したことなんて今まで一度もなかったのに。





長く付き合いのある涼ちゃんにさえ、あたしの存在は気付かれていなかったのに。

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