第22話

学校にクラスメイトと呼べる人はいるけど、友達と呼べる人はいません。

誰も助けてくれない見て見ぬ振り。






「誰かこの問題解ける人いるか?」





数学の時間。

意地の悪い数学の先生は大学入試問題を授業中にわたしたちに解かせる。





当然解ける人はいないのだけれど。





「せんせー、一ノ瀬さんなら解けると思いま〜す」




「そうそう〜!一ノ瀬さんガリ勉だけが取り柄なんだから」




「ヒュー、がんばって一ノ瀬さん」






なんて、ひどい。

わたしは決してガリ勉なわけではありません。

読書が好きで休み時間も本を読んでいるだけで。ガリ勉ではないのに。






「じゃあ一ノ瀬解け」





若干口角が上がっている先生。わたしが解けないのが分かっているくせにわざと当てる。

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