第18話

「一ノ瀬さんって花が似合うね」




「そうですか?」




「ええ、アマリリスとか特に似合うわよ」






たとえ、お世辞だと知っていてもその言葉は嬉しかったの。

アマリリスは、あたしの中で涼ちゃんですから。






そんなことは知らない矢野さんは(お世辞でも)純粋に言ってくれたのだと思う。

だから、嬉しいのです。




自然と上がる口角。





「いやだ一ノ瀬さん、すごくニヤニヤしてるよ?」




「え?!本当ですか?!恥ずかしいです」




「ふふ、一ノ瀬さんって面白いわね」






そう言って笑う矢野さん。

矢野さんの言葉は私にとって新鮮だった。

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