友達の名前
パティは仔犬と仔猫を抱いて、インコのひなは肩に乗せ、コガメはポケットに入れて、彼らが怖がらないように注意しながら教会に帰って来た。
心配そうにパティを出迎えた神父のジョナサンは、パティが引き連れている動物たちに驚きの声をあげた。
「パティ、その動物たちは一体どうしたんだ?」
「神さまにお祈りしたんです。お友達をくださいって。そうしたらこの子たちがいたんです」
「そうかそうか。神さまがくださった動物たちならばきっとパティの助けになってくれるだろう」
ジョナサンは微笑んでくれたが、やはりパティには治癒魔法を選んで欲しかったのかもしれないと思うと、パティの気持ちは少し沈んだ。
ジョナサンはパティの気持ちを察したのか、明るい声で言った。
「パティ、動物たちに名前をつけてあげなさい」
「はい!」
パティは自分をキラキラした瞳で見上げている可愛い友達を見た。まずはシェパードの仔犬。
「あなたはとっても強いのね?じゃああなたの名前はマックス」
「キャン!」
仔犬のマックスは嬉しそうにパティの顔をなめた。次はロシアンブルーの仔猫。
「あなたはとっても可愛いからチャーミー!」
「ミャァ!」
仔猫のチャーミーは嬉しそうにパティに頬ずりをした。次はモモイロインコのヒナ。
「あなたはピンクの羽毛がとっても綺麗だからピンキー」
「ピピッ」
モモイロインコのピンキーは嬉しそうにパティに近寄った。パティはピンキーを優しく肩に乗せた。最後は小さなチズガメ。
「あなたは水遊びが好きなのね?あなたの名前はアクア」
「プクプク!」
コガメは嬉しそうにパティに近寄った。パティがコガメの前に手をおくと、一生懸命よじ登ってきた。
パティは可愛い友達に微笑んで言った。
「マックス、チャーミー、ピンキー、アクア。これからよろしくね?」
動物たちは一斉に鳴き声をあげた。ジョナサンが驚いて言った。
「パティ、動物たちの言葉がわかるのか?」
「はい。何でか皆の気持ちがわかるんです。私の気持ちも皆わかってくれているんです」
「そうか、不思議だのぉ。だが困った。家族が増えると、この子たちの食事はどうするかのぉ。ピンキーは野菜を食べてくれるかもしれないが、マックスとチャーミーとアクアは肉を食べないといけないだろう」
「大丈夫です、神父さま。マックスもチャーミーもアクアもお水と少しの野菜を食べれば平気です」
「うむ。やはり普通の動物とは違うようだな」
ジョナサンはしきりに関心したようだ。パティは友達ができた事が嬉しくて、マックスたちをかた時も手放さなかった。眠る時はもちろん、学校に行く時も、神父のお手伝いをする時も、そんな時ある事件が起きた。
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