"まだ見ぬ栄光を手に"



--・・ ・・ ・- --・-・ ・- 



「——げっ。やっぱ下振れた。

もー。決勝戦までコレって。

僕たちほんと、運ないよね」



「むしろ練習通りやな」



「普段より初動は若干マイナスですが、

ここから作戦通りやれば、なんとか——」



「あ、あれ……?なんでっ!?

ねえ、clearリーダー!

ルート読み、間違ったかも…………!」



「え……。

あ、マズイ。最悪です。

相手、西側から向かってきてます……!」



「え、嘘やん」



「すみません……私の読みが足りませんでした」



「いやいや。流石にそれは誰も予想できんよ。

向こうの立ち回り、うますぎやな」



「オレこそ、まじでごめん!

うっわ……かなり押されちゃってる…………

立て直し……も、厳しいか」



「ヤバっ。待って、失敗した!

僕、結構追われてる!」



「……焦っちゃダメです。

落ち着いて……出来る限りのこと、最後までやり切りましょう!

トワさん、状況は?」



「なんとかこっちは終わった!すぐ補助回るよ。

タイガ……もーちょい耐えれる?」



「う、ん……ギリギリ……あと20……30秒くらい」



「……相手側、あと42秒でCTクールタイムあがります。

それを受けてしまったら、もう取り返しは…………。

とにかく、気をつけて」



「「了解……!」」



「あ…………あ、あっぶなあぁあ!!回避回避!」



「え……!ほんま!?ナイス!!

すごいやん!よく耐えたなぁ、タイガ!」



「いや、トワりんのフォローがまじアツい。うますぎ」



「ううん。clearリーダーの、完璧な時間管理のおかげだよ!

今ので相手、ちょっと崩れかけてるよね?!

まだワンチャンある!?」



「いや……相当厳しいですね……。

今から順当にやってると……時間が足りません」



「だよね……くそ……惜しいのになあぁ……」



「ただ……。

残された僅かな道として、

ラスト……奇跡を起こせれば、ですけど。

ここからでは、かなり無理が——」





「あ」





「えっっ!?どーした?ナギ!!」




「見えた。

ラスト………………俺がやってもええ?」




「え……。

ナギっちの位置……って、かなり渋くね?」



「うん。決まらんかったらごめん。俺らの負けや。

責任は全部負うよ。

だから…………俺に任せてほしい」




「っ…………もう、賭けるしかない!

ナギさん…………お願いします……!!」





『————間違いなく、これが最初で……最後のチャンス!!

さあ、ナギが動いた…………ナギが動いた!!!』





「ナギ……!

頼む、頼む頼む……決めてくれ……っっっ!!!」





『————時間が迫る!!届くか!?

絶対絶滅のピンチから!僅かな可能性を掴みに今!

想いを込めた……ラストアタック…………!!!!』





「うおおぉお!!決めろーーーー!!!!

ナギっちーーーーーー!!!!!!!!」





『————決まったあぁああ!!!!!!!

"World Championship"、

今年の王者は………"Share Comet"!!!

日本、悲願の初優勝ーーーーーー!!!!』




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