5'



---------------------------------------------



「おはよー、神崎くん」



「………………」



「どしたの?深刻な顔して」



「先輩……。

希望〆、今月末までやって」



「あ、そうなんだ。まあもう年末近いしねぇ。

って、あ゛ー!年末調整、出さなきゃ!!」



「……延長希望は?」



「残りのわずかな期間、思い出作ろうね」



「ほんと信じられん」



「あ、見て。来月[クリスマス会]だって」



「さすがに、そこは外さんのやな」



「プレゼント交換あるかなぁ」



「いや、ナイでしょ。学生ちゃうんやから」



「そっかぁ。あのワクワク感、良かったのに」



「ほな、俺らだけでやりましょうよ」



「えー。男の子へプレゼントなんてしたことないよ。何あげていいか、わかんないし」



「え、なおのことやろうよ。

プレゼントなんて、なんでも良いから」



「んーー考えとく」



「俺は用意しますけどね。

たとえ、先輩から何ももらえなくても。

そうなったら、プレゼント交換にはならんなぁ」



「……新手の脅し文句?」



「さて。今日の朝礼、

希望〆のこと、しつこく言うてあげますわ。

先輩の方向、凝視しながら」



「ヤな朝礼担当だな。私情持込禁止」



---------------------------------------------

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る