青い(26首)

綾瀬はるかがロケした場所を通ってる酔っ払いや露出狂やわたし


大きくてすごいうるさい掃除機で落ち葉を吸う想像気持ちいい


飲み物を持って道路を渡るとき人はほとんど大奥である


味のない最期になるな味のない手作りパンで窒息したら


アパレルの店員さんはなんとなくみんな忍者のような気がする


そよ風で女子が残した給食の納豆の塔ぐらついている


それ小骨多いやつだよ気をつけな詐欺とか暑さにも気をつけな


「痛風の歩き方」っていう題を予約カードに書き、渡さない


豆腐の角で頭を打った人によりぼろぼろにされた豆腐の葬儀


しょうがない塩素がきついプールではたこさんウィンナーは生きられない


カキエキス という文字列がさまざまなフォントで脳を横切っていく


人間はいつまで登場するだろうペッパー君の午睡の夢に


人間のへそをあつめて神様は大きな白いお皿と換えた


はちみつもかけてみてそして手を挙げてそのままゆっくり後ろに下がれ


危なかった人の不幸が寿司の味だったらかなり好きになっていた


遊園地と喫煙所の広さが逆になった世界の遊具のサイズ


もずく酢のうつわをじっと覗き込みもずく酢の内側に招かれる


煮卵に心を乗っ取られた日からラーメンを見かけると入りたい


花摘んでくる、って立って花摘んで帰ってきたらびっくりされた


反省をさせられるとはあんまりだせっかくピアノに生まれてきたのに


ビルになる準備をしていた恋人が振り向いて「傘、要るかな」と問う


湖の睡眠時間は池よりも長そう レッドブルのストック


「星でも食うか……」と呟いてから星たべよ食べるわたしが侵略者です


もう少しさくさくしたいと言ったためわたしの来世がとんかつになる


もしわたしが猫ならどうしていただろう……わたしが猫ならってなんだろう


ネタバレのあとで地球を見たからか青い以外の感想がない

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る