荘子と遥かにさまよって ━━無窮の世界に遊ぶ━━
水泰泩
荘子とは何か?
中に記されるのは、天と人、道と真人の不可思議な世界。
相対主義や懐疑主義・不可知論のような現在の立場で括ることは不可能な、あまりにも広大な思想世界が広がっています。
その特徴は作中で
他の思想家が堅苦しく、真面目に論舌を戦わせるのを横目に、荘子はユーモア溢れる文で、その独特の世界観をあらわにするのです。
その影響は哲学・思想・宗教を越えて、後世の文学や芸術にも繋がっていきました。
現在残っている文献は、内篇七篇、外篇十五篇、雑篇十一篇の全三十三篇で構成されています。
この素敵な本の作者は、伝統的に荘周という思想家だとされてきました。
しかし内篇以降は内容の統一性がないため、現在では内篇のみが荘周本人の著作だと考えられています。
それでは外篇や雑篇はいらないんじゃないかって?
そんなことはありません。
外篇・雑篇では内篇で示された事柄を、様々な思想、学派の人たちが考察し、発展させています。
「荘子」という文献の世界を垣間見るためには、その全てを見てみる必要があるでしょう。
それでは、荘子と一緒に、遥かな思索の旅に出かけましょう。
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