都市伝説の話
ちゃおだったかなんだったかのホラー特集で、ニンジン嫌いの女の子が母親からニンジンをたべなきゃだめだよ、といわれ、オチとしては深夜目を覚ますと隣に大きなニンジンがあり、それが美味しそうに見えて齧ったら美味しかった。だけどそれは本当は母親で、次の瞬間はらわたをこぼす母がいる、みたいな。
「えっ、これを小学生女児は読んで過ごしたの?」と思って恐怖した。グロ耐性自体は人並みくらいで、少年・青年漫画や映画、流血・暴力シーンのあるゲームくらいのそれなら平気というレベル。とはいえシチュエーションといい描写といい(実際どんなふうに描写されていたのかは知らないけど)恐ろしいものを小学生時代にぶっ込むんだな、と思った。
どうでもいいが従来は「世間話」の体にすぎなかった怪談や「をかしきこと」だったものが2000年代に都市伝説というジャンルに統合されたらしい。
「隣の奥さんのお子さんが学校で聞いてきた話なんだけどね、あの学校、怪談があるのよ」みたいなのは学校の怪談という民俗学用語だったが、今ではトイレの花子さんや音楽室の肖像画含め都市伝説という括りになっている。
都市伝説というのはジョン・ハロルド・ブルンヴァンの言葉を和訳したものらしい。都市伝説はアメリカで生まれました、日本の発明品ではありません、我が国のオリジナルです……というわけ。
自分が妖怪を取り扱う作品を描く都合上、そして過去にやたらと2ちゃんねるまとめ掲示板を読み漁ってた経験から、こういった民俗学に非常に興味がある。
最近出た本で、ネット都市伝説を民俗学とするのか——みたいな感じのがあるそうなんだが、とても欲しい。とはいえ近所の書店では売り切れてしまい、買えない状況。かといってネット通販ってのを信用できない(どうしてもそこでしか手に入らないなら腹を括るが)ので、自力で買いに行きたい。
2000年代といえばネット黎明期でもある。この頃からとても盛んに口伝で都市伝説が語られ、増えていった。一説にはネット怪談とネットホラーは厳密に分けられるらしく、怪談の方は真偽不明、ホラーの方は作者というものが明確に存在する、という点。
そしてネット怪談——ネット都市伝説は一種のシェアワールドで、複数のスレ民の書き込みでその世界が広がっていくことがある。きさらぎ駅もその前後のつきのみや駅、やみ駅、ごしょう駅、なんてのが増えていって、一種のバース化とも言える拡散をした。
異世界行ってみた系も多い。余談だが、「信じられないかもしれないが変な体験をした」という異世界体験談が好きだ。
ネタバレするとこれは漫画家「やしろあずき」氏の釣りで、非常に面白かった。
調べたら猿夢が96年、98年にくねくねらしい。90年代後半にWindows95によるネット環境が比較的広がり(もちろん、今ほどではない。一台のパソコンを家族で共有なんてのは当たり前だったらしい。私が本格的にネット環境を手に入れたのは十六歳の十一月だったと記憶している。2011年だから、昨今、だいぶ遅い)。
なお夢を壊しそうだが、一説には社会現象化した「電車男」は釣り、とも言われている。
追記:恐怖のアナウンス、分からない方がいい… という、猿夢・くねくねの元ネタが96年、98年に投稿されたようだ。
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