18

こうくん、キラキラしてる」

「桜の中でも見つけられるくらいに」


「俺は保健室まで付き添ってくれたあの日からずっとそうだったよ」

「バイト始めたのはお前がバイト掛け持ちしてるの知って」

「俺も親に頼らずに自分で稼いでお前に似合う男になりたかったから」

「それとこれを渡すため」


 こうくんはシンプルな白のキーケースを手渡す。


「え、キーケース?」


「開けてみて」


 わたしはキーケースを開ける。


 するとピンクゴールドの指輪が鍵を取り付けておくフックに掛かっていた。



「キーケース指輪付き」



 こうくんが優しく笑うと、わたしの両目からまた涙があふれる。


「バイト始めにカフェのカウンターで、悪女な彼女さんのこと大切に思ってるんだねってシフトが同じ子にからかわれて」

「うん、すっげぇ大切に思ってるって返したら笑われたけど」


「そう、だったの?」

「なのにわたし嫉妬……」


「嫉妬してくれて嬉しい」

「指輪、嵌めてもいい?」


「うん」


 フックから指輪を外し、わたしの右手の薬指に嵌める。

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