第6話 考える時間?有るわけねえだろ!!
「……」
ああ、今日もいい天気だ。
正に晴天。
ほとんど雲のない青い空が窓の外に広がっている。
ぼんやりと眺めて考え事をするにはとても良い景色。
そう、
「てめえの顔面が無ければなぁ!!」
「はあ!?水無人が俺を無視するからだろ!?構ってやってるだけ有難いと思え!!」
「視界内に入ってくるなプレイヤーネーム【
「何故知ってる!?」
「晶だから水晶か?他のプレイヤー助けるから騎士か?それともジョブが騎士か?なあ答えてくれよ【
「やめろぉ!!」
自分の痛いプレイヤーネーム【
「俺は今考え事してんだよ。お前に構ってる暇はない」
「仕方ない、俺が話を聞いてやろう」
「あっ水晶系素材の装備で全身固めた高潔なる精神をお持ちの騎士さんに話す事は無いっすwww」
「かはっ……!!」
俺の今悩んでいる事。
先日空さんに言われたあの言葉。
『貴方、Vtuberにならない?』
すぐに答えを出す事が出来なくて一旦保留にしてもらった。
ただその状態でいつまでも放置は出来ない。
数日の間に答えを出す必要がある。
晶の顔が目の前に。
「てめえ無視されてるからって至近距離に近づくな!!シンプルに気持ち悪い!!」
「これが、ガチ恋距離って奴さ!!」
「はっはー恋人いない歴=年齢の【
「おいおい、その名前をあんまり弄らないでくれ。プレイヤーネーム【
「ふん、【
「え、えっとぉ…………」
「判断が遅いなぁ。あっ別ゲーだと【
「あ゛あ゛あ゛!!!!」
頭を教室の床に叩きつけ始めた馬鹿は知らん。
とりあえずやるかやらないか。
その時だった。
「水無人!!今日は小テスト無いよね!?」
学校では超レアキャラであるはずの雪菜が現れた。
「だから何で次から次へと来る!?少しは考える時間を寄越せや!!あ、小テストは無いぞ。ていうか今日来ないんじゃなかったのか?」
「情緒どうなってんの?」
「先生に呼び出されちゃった……えへへ」
えへへじゃない。
おそらくは出席日数の件の呼び出し。
雪菜は出席率と課題提出率が悪いのに成績自体は平均を保っている。
これが中学ならまだしもここは高校。
はっきり言って教師側としては非常に扱いの難しい生徒だ。
ちなみにこれは雪菜に勉強を教える俺が悪い。
「水無人のおかげで成績は平均だからね!!何も言えないみたい」
「だからって堂々と学校をサボるな。昨日も幼馴染の俺なら言うこと聞くかも、説得してくれって先生方が必死になって頼んできたし。時間があるなら学校に来い」
「そんな時間は無いかなぁ(棒)」
「ふっ……なら、明日から俺が迎えn」
「晶君ステイ!!キショい!!」
「あっあっあっ」
雪奈は毎度容赦がない。
会話に割り込むのを止めない晶も晶だが。
もしかして。
「晶、お前ドMだったのか」
「何でその結論になった?」
「いや、毎回雪菜に妨害されてるのにな……って思って」
「え?嫌、流石にそれは気持ち悪い……」
「いやいや違う!!俺はドMじゃない!!」
目の前で言い争いを始めた二人は放置。
本当は空さんの質問に対する答えは出ている。
ただ俺が迷っているだけだ。
「おい水無人!!」
「うるっさい!!何だよ!?」
「お前真剣な顔すんな!!調子狂うだろ!!」
「誰が年中無休暴走男だ!!」
「事実だろ!?」
「……ん?確かに」
「そんなことより水無人。今日暇だよね?」
ずい、と顔を近づけてきた雪菜。
その真剣な表情はいつものふざけた様子とは違っていた。
「まあ、暇だけど……」
「学校終わったらうちに来て。大事な話があるから」
それだけ言って雪菜は教室から出て行った。
「……ん?」
というかちょっと待て。
雪菜の手には鞄があった。
まだ下校時間では無い。
ここから導き出される結論は。
「おい待て雪菜!!何しれっと帰ろうとしてやがる!?その手に持ったカバンを下ろせ!!」
「先に帰りまーす!!」
「雪菜ぁ!!!!」
「おい水無人!!授業始まるぞ!!」
「このっ……ああクソっ!!!!」
絶対に後で説教してやる。
そう決意して俺は自分のクラスの席に戻った。
「乙www」
「黙れ【
「だから何で知ってるんだよ!?」
「お前が前の席だからだバーカ!!」
結局それ以降も考えは纏まらず。
学校が終わる夕方ごろ。
悩みを抱えたまま、雪菜の家に向かう事になった。
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