08




昼休み。

たまには購買のパンが食べたくて、1階までやって来た。


私たち1年生の教室は3階、2年生は2階、3年生は1階と決まっているから、購買がある1階は行くのが面倒で、今まで来た事が無かった。


お財布を胸の真ん中で両手で持って歩いていると、昨日池田くんに忠告された綾部先輩が正面からやって来た。


目が合って、今更引き返すなんて失礼だから出来ないし、ていうか今まで一度も校内で出会った事ないのに、なんていうタイミングなんだろう。


綾部先輩は同じように制服を着崩しているお友達3人と一緒に居て、池田くんが言った事は本当だったんだと実感した。


関わるなって言われたけど、無視するのは良くないと思い、軽く会釈をする。



「え、綾部知り合いー?」


「可愛い後輩ちゃんじゃ〜ん」



品定めするみたいに上から下まで見られる。

うぅ、この嫌な絡み、どうしたらいいんだろう。

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