街の真実
警備兵に見つかり絶体絶命となった俺達。
ひとまず逃げるぞ!
「ユラ、ククル、キッカ!逃げるぞ!」
「ちょっと!何すんのよ!せっかく乗ってきたんだから!!」
ダメだこりゃ!
ユラのやつ、ルーレットに夢中で危ないの分かってねえ!!
「もういいから行くぞ!」
「ちょ!ライア!まだチップが残って…」
「いいから行くぞ!」
ったく、こいつ…。
そうだ!ククルとキッカは…。
こいつらも同じだったあああああ!!
「いくぞ!お前ら!」
「わ!ライア!なんてことを?」
「もう少しで億万長者に…」
「そういうのはもういい!!」
俺は焦りより怒りが増した…。
***
何とか、城の外に逃げるのに成功できたものの…。
ユラ達がまだ中毒になったままだった。
「やらせろおおおおお!ルーレットやらせろおおおおお!」
「うわあああああ!スロット打ちたあああああああい!」
「トランプが金に!目の前に金があああああ!!」
「お前らいい加減にしろ!!もう
ダメだ!
こいつら完全に依存症になってやがる…。
もうどうすりゃ元に戻るんだ?
…。
おとぎ話じゃねえけど?
あのやり方試してみるか?
俺の思い立った
それは…。
「ユラ!」
「え?な…え!?」
チュッ!
"王子様のキス"ならぬ、"
さあ、どうだ?
「ん?あれ、私何をして…って、ライア?私今何を…!?」
「よかったああああ!戻ってくれたんだなユラああああ!」
「ちょっと!いきなり抱きつかないでよ!恥ずかしいじゃない!そういうのは2人だけの時に…」
よかった!
とりあえずユラは元に戻った。
次はククルとキッカ。
俺は2人にも同じようにキスをした。
ちなみにこいつらには頬にしたが…。
2人も無事に正気に戻ってくれた!
「ライア・・・僕は一体何を・・・?」
「ってか、なんか良い事あったような気が・・・」
3人が落ち着いた所で、俺は彼女達に事の経緯を説明した。
あのカジノは依存させる何かがある事が分かった。
だが、その"何か"が何なのかはまだ分かっていない・・・。
***
とりあえず、あの城以外に人がいるかもしれない。
そう思って街の中を捜索する事にした。
誰か人がいるかもしれない。
しかし、懸命に探しても人の気配はしなかった。
どうなってんだ?
「きゃああああああああああ!!」
「キッカ!?」
キッカの叫び声?
一体何があったんだ?
悲鳴が聞こえた場所へ向かうと、俺達は驚くべきものがあった。
そこは廃墟と化した民家であり、中を覗くと・・・。
その中には無数の白骨化した遺体が何体も見つかった。
(なんだこの人骨は?まさか、これも行方不明者か?)
あまりにもむごい光景に俺も目を逸らしたい上に吐き気がしそうになってしまった。
だが、わからねえ・・・。
一体何が・・・。
(そういえば・・・?)
俺はさっきカジノにいたやつらの話を思い出していた。
『人生最後の娯楽』
『スキルで勝ち続けている幻を見せているだけ』
やつらが人を殺めていたとしか考えられない・・・。
それならあいつらの正体を探るしか・・・。
「見つけたぞ!」
「げっ!?」
カジノから俺達を探しに来たのか!?
なんてこった!?
だが、正体をあぶりだすチャンスだ!
単刀直入に言ってみるか?
「お前ら何者だ!?」
なんて言って答えるわけ・・・。
「ふん!どうせ貴様らはここで終わり!正体ぐらい見せてやるか!」
そう言ってカジノから来た1人が正体を露わにしやがった。
「なんだ?もしかして・・・?」
俺は背筋が凍ったかのごとく冷や汗が出てきた。
なぜなら、カジノ関係者の正体は・・・
"人間"じゃなかったから・・・。
やつらは人間じゃない・・・。
"
「
おそらく、この街は何かの事情で全滅してしまい、その死んだ多数の人間がそのまま怨霊と化したんだ。
そして仲間を求めて、カジノを幻で作って生きている人間を襲っていたんだな・・・。
白骨化した死体から見ておそらくこれは何十年も前からだな・・・。
驚いたぜ・・・。
まさか、死者が生者を襲うなんてな・・・。
しかも、こうして遺体の処理までするとは…。
あのカジノで勝ち続けている幻を見せている間、それに気づかないまま魂を取られちまったんだ・・・。
しかしこれも驚いたが、死んでもスキルを使えるんだな・・・。
だが、問題はここからだ・・・。
この状況を何とかしないとな・・・。
「みんな!戦闘準備に入れ!」
俺達は戦闘準備に入った。
何としてもこの状況はまずい!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます