告白とキス…しちゃった…。

ーー10年前。

私はライアと出会う前、良いとは言えない人生を送っていた。

両親は育児そっちのけで毎日大喧嘩をする荒れた家庭で育っていた為に、私は僅か4歳の幼さで性格が凶暴になっていた。

やがて非行に走るようになった私はある日、どこかからか金をくすねた。

両親はそれに激怒して私に暴力を振るったけど、私もそれに対して激怒して両親を仕返しの如くタコ殴りにする事件も起きた。

これを機に両親は娘である私に対して恐怖を感じ勘当を言い渡されてしまった。


それからの私は金をくすねたり、食べ物を盗んだりで毎日を生きていた。

そんな時にモルフィとミミカに出会った。


明日も生きていられるか分からない日々を過ごす為に私達は何度も非行を繰り返した。

人生なんてどうでも良いと思っていた私。

でもそんな私に救いの手を差し伸べてくれた奴がいた。


それがライアだった。


ライアはこんな凶暴な私を理解してくれた。


そんなライアに私は恋をした。

いわゆるだった。


9年後、ライアが13歳になって冒険者として旅立つ事になった時に告白しようとしたけど、結局出来なかった。


それから1年後の現在いま

私も冒険者になる事を決めた。

そうすれば、ライアに追いつける気がしたから・・・。

そして私はモルフィ、ミミカとパーティーと組んで冒険者になった。

パーティーメンバー募集の広告に盗賊シーフを募集したのもライアの事を想ってそうやっちゃったかもしれない・・・。

でもまさか、ライア自身が入ってくれるなんて想像もしていなかった。

正直嬉しかった。



「ライア、あんたに出会わなかったら今の私はきっといなかった、あんたがいたから私はここにいるとおもっている。」


「ユラ・・・」


何言ってんの!?


私!?


さっき堂々とライアに「好き」って言っちゃったけど・・・、でも、もうここまで来たらもう逃げない!


「ライア・・・」


「え!?」


チュ!


(いやあああああああああああああああああ!!!わ、私今ライアとキスしちゃってるうううううううううううううう!!??)


ライア、顔赤くなっている!?

突然の私からのキスで照れてんのかな?


でも、もうちょっとこうしていたいかも・・・。


もうちょっと・・・。


「あの~・・・もう入浴時間終わってますけど!?」


「「・・・・・!!??!!??」」


突然宿の従業員が浴場に入ってきて、私達のキスの時間は終わった。


ライアも私もまだ恥ずかしい・・・。


(ライア・・・)


私はあなたが好き・・・。

だから、あんたも私を好きでいて・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る