第17話
何処から漏れたのか、お祖父様が生家に居る事が、
敵対する組に知られた事から始まった。
そうならない為に、お祖父様は一箇所にと留まる事をせず
各所を転々としていたのだが、ここ何日か、
仕事の都合で生家に、3日滞在したその時を狙われた。
当然、お祖父様は標的となり、生家は敵に囲まれた。
お祖父様と私、そしておじいさんは家の奥に身を潜め
「あんたは淋香と、隠れておれ!!
見えん奴は邪魔にしかならん」
「五月蝿いわい。淋の弾除けくらいにはなれる!!」
『おじいちゃん、危ないから隠れてよ』
そんなことを言いながらも
お祖父様の指示通り、部屋の奥に隠れていた。
「もうすぐ圭志と闇珠が来る。もう少し辛抱してくれ・・・」
そう言うお祖父様は、私とおじいちゃんを守るように
部屋の障子を見据えていた。
私とおじいさんはその言葉に従い、
じっと息を殺して隠れていた。
その時
「キャーッ!!」
おばさんたちの悲鳴が、家中に響いた。
「奥本はどこだ!!とっとと言いやがれこのアマ!」
バシンバシン
そして知らない男の声と、何かを叩く音・・・
「お祖父様。大丈夫なのですか?おばさんたちは・・・」
「大丈夫じゃ。
あいつらも分かっていた事じゃ、
お前が心配せんでもえぇ・・・」
そう言うお祖父様・・・しかし表情は曇っていた。
“やっばり、心配して・・・”
そう思った時足音が聞こえてきた。
ドスンドスンと聞こえる音は、次第に大きくなる。
途中スパンッと障子の開く音も聞こえているから、
部屋を確認しているのだと思った。
「どこに居る?ここか?」
その声と共に、部屋の障子に人影が映る。
私は、おじいさんの手をぎゅっと握り、
部屋の前に人が、そのまま立ち去ってくれることを願った。
しかし、おじいさんはその手をゆっくりと離す。
そして、すっと立ち上がり、まるで見えているかのように
ゆっくりと人影に向かって歩き出した。
『おっ!?ん゛~』
私がおじいちゃんと呼ぼうとした時、
後ろからお祖父様に口を塞がれた。
“お祖父様!?なんで?
おじいちゃんが行っちゃう・・・”
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