第7話

第2音楽室と書かれたプレート

扉が少し開いていたようで、

音が漏れたようだった。


(〜♪♪〜♪♪〜♪...)




音楽室の扉を開けて中に入ると、

1人の女の子が伏し目がちにしながら

ピアノを弾いていた。


壁に背を預けてしばらくその音色に

耳を済ませていた。



一曲弾き終わり目線を上げた彼女は

ようやく誰かがいるのに気付いたのか

驚いた顔でこちらを見た。


「!!!…びっくりしました。」


「ピアノの音が聴こえてきたから、思わず入ってた…驚かせてごめん。」


「い、いえ!放課後って誰もこの棟にいないから、驚いてしまいました。」


「花の歌か…確か…ランゲだったか。」


「ご存知なのですね。」


「…まぁ小さい頃から習わされてたから。」


小さな声で返したのに

耳がいいのか、聞こえたらしく


小首を傾げ小さく微笑み

腰まである長い髪を揺らしこちらを見ていた。


夕焼けに照らされた彼女に

思わず見惚れていたんだ。

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