第309話
健は部屋のドアを閉めたあと、服を脱いでベッドに横になった。
「俺ら喧嘩ばっかで全然してなかったもんな。お前も早く脱いでベッドきてよ。」
健には怒りと嫌悪感しかない。いま体を触られようものなら殴ってしまいそうだ。
俺の親に妊娠が嘘ってバレる前に子供を作ろうとか笑わせてくれる。私の家族のことなんて何も考えてくれてない。
「母親が倒れたっていうのに、よくそんな気分になれるよね……」
「もういいわ、萎えた。エッチするのが嫌なら、口でしてくれる?今まで一回もしてくれたことないよな?」
「絶対無理。自分の口でしたら……?」
「普通に考えて届かねえし。最低だな、お前。そんなに俺としたくねえの……?」
「そんな気分じゃない!!!」
「他人の御手洗さんには自分からキスするくせに、旦那にはなんにもさしてくれねえとか笑えるわ、ほんと。」
「ていうか、私は離婚してって言ってるんだよ?今さら子作りとか何考え……」
私は言いかけた言葉を止めた。部屋のドアが勢いよく開いたからだ。
「こんばんは。玄関の鍵、開いてたよ。」
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