第277話
電話を切ったあともしばらく部屋に閉じこもっていた。時間が経つにつれ動悸が酷くなってきた。
本当にこれでよかったのだろうかと自分に問いかけていた。私は御手洗を裏切ってしまった。これがどんな結果になるのかはわからないがもう引き返せない。
あと1時間ほどで本宮さんたちが迎えに来る。服を着替えて部屋から出ると健はキッチンで酒を飲んでいた。テーブルの上にはビールの空缶が溢れ返っている。
「健……話があるんだけど……」
「本宮って誰?」
「聞いてたの……?」
「そりゃ聞くだろ。あんだけ、焦ったように逃げていったら。あげく部屋に鍵まで掛けてさ。俺に聞かれたくない話ってなんだよ。本宮って誰なんだよ。」
「…………」
「もう考えれば考えるほどわかんなくなるわ。お前、不倫してんの?手紙に書いてたことってマジなの?」
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